2009年1月16日金曜日

Sophistication of Supply and Demand Structure of Energy 

化石エネルギー源偏在の世界から、新エネルギー源による全電力化社会システムへのシフト
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 経済産業省は、「エネルギー供給構造の高度化政策案」(注)について意見を公募しているが(いわゆる「パブコメ」)、「需給構造」としないで「供給構造」の面に偏した取組とした結果、エネルギーの需要と供給の相関構造高度化の政策構築が欠落しているとSANARI PATENTは考える。
 何故、今次案が「供給」構造に偏したか、その理由は、一次エネルギーである化石エネルギー源の比率が現在なお8割程度であるのを、いわゆる新エネ・代エネによって低減し、化石エネルギー資源の有限性、世界賦存分布の偏在、化石エネルギー資源の6割を占める原油の比率低減による排出ガスの削減など、エネルギー資源の多様化によるエネルギー供給の安定・確保と環境保全の政策に関心が集中しているからと、SANARI PATENTは考える。

 すなわち今次案は、「代エネ関連施策」「エネルギーをめぐる情勢と一次エネルギー源ごとの特性」の章に続いて、「今後目指すべきエネルギー需給構造の方向性」の章を設け、ここでは「需給構造」の語が掲げられているが、その内容は「長期エネルギー需給見通しである。最大導入ケース」と「エネルギー供給構造高度化への取組」の2節から成り、この前節においても、エネルギーの形態別需要構造に論及していない。
 従って、「エネルギーの使用者」については、案の末尾に「今般の措置は、その太宗がエネルギーの供給事業者のみが実施しうるものであるが、他方で、需要側の取組が重要な役割を果たす面も見られるようになってきている」と記述して、「エネルギー使用者の取組も促進することが望ましい」という付言的な結びに終わっている。

 しかし、高度情報社会システムの構築とその展開が、国民福祉の向上と産業の国際競争力強化のため必須であることから、需要者が使用するエネルギーの形態とその質および量を起点としてエネルギー政策を立案すべきであると、SANARI PATENTは考える。具体的には、利用するエネルギーの形態を全て電気にシフトすることを原則として社会システムを構想し、これに対応するエネルギー供給の在り方を策定すべきである。例えば、新しい電池技術や電気自動車の普及は、電気エネルギーをリアルタイムな需要に応じて自由に流通させるための革新的デバイスとなり得る。電気自動車について見れば、それは既存の自動車の代替ではなく、新たな価値をもたらす情報家電ともなり得る。その効果を最大限に発揮するため、ニッケル水素電池の開発など、特許技術を基盤とする関連産業の発達、および、バイオマス発電・太陽光発電の最適立地などを政策目標とすべきである。同時に、生活用エネルギーの形態を電力・ガスの二元システムから全電化することにより、電力生産コストおよびエネルギー受給システムの単一化による合理性を実現できる。

 意見公募の趣旨にも、「エネルギーの安定供給の確保を図るため、エネルギーの供給部門における対策について、他のエネルギー政策との整合を図りつつ幅広く検討する必要」を述べており、「他のエネルギー政策」の最たるものとしても、エネルギー需要構造に関する政策が先行、少なくとも並進すべきである。
(注)このサイトの2009-01-11記事ご参照
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Demand Structure of Energy、非化石エネルギー源、ニッケル水素電池、電気自動車

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