2009年1月19日月曜日

Problems on Contents Creator 

クリエーターの立場などコンテンツ取引に関する諸問題
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 「コンテンツ取引と法制度の在り方研究会」(経済産業省)が今週22日に開催されるので、これまでの議事内容(SANARI PATENT要約)を考察する。
1.クリエーターの創造環境を整備
1-1 クリエーターの権利が、どのように流通し、どのように保護されていくのか、実態が見えないため、クリエーターの権利保護という議論に流れがちだが、コンテンツ取引の全体像は契約関係であることの充分な認識が必要である。
1-2 独禁法の優越的地位の濫用については、契約内容が不釣合いかという要素と共に、契約成立に至る段階における交渉の機会の有無をも考慮すべきである。すなわち、交渉の機会や書面の提示など、契約形成のフォーマットを確立することが重要である(SANARI PATENT考察: 日本的契約形成の文化風土と、クリエーターの非事業者的性格が重畳して、契約意識の欠落をもたらしてきたが、内閣知財戦略本部が唱導する日本コンテンツのグローバル発信のためにも、米国流の契約先行意識の確立が重要である)。
1-3 権利が法的に認識できないと、交渉のテーブルに付けないから、クリエーターの地位を確保するために権利の明定が必要であるという主張の一方、権利があると、コンテンツの創造と利用という目的とは異なる方向で二次利用等を妨げる要因になるという主張がある(SANARI PATENT考察: 後段の主張は逆立ちしており、後段にいう「創造と利用」のためには、著作物の公正利用における権利制限の明認が先ず必要である)
1-4 米国では、著作隣接権がなくても、ユニオン等によってクリエーターや実演家の利益が守られている(SANARI PATENT注:「著作隣接権がなくても」ではなく、「著作隣接権が少なくとも慣習法・判例によって認められ」である)。日本では権利で保護するのか、労働政策的観点から最低賃金を保障するのか(SANARI PATENT考察: 原文は「保証」だが「保障」であろう。いずれにせよ不適切な選択肢である)、プロダクション業界の近代化を促進するのか、国際的潮流を踏まえて検討すべきである。

2.コンテンツの不正流通対策
2-1 権利制限は利用者の自由を積極的に保障しているものであるという立場に立つと、技術で権利制限をオーバーライドしてはいけないという考え方もできる。その場合、権利制限規定に、かなり強い意味を見出す必要がある。
2-2 著作権を強くすると、その後の創作行為には制約が大きくなるので、著作権の権利主張には限界があるべきというのがクリエーターの主張としては素直である(SANARI PATENT考察:特許権についても同様の考察を試みるべきである)。(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Contents Creator、著作権、著作隣接権、ユニオン

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