2008年11月24日月曜日

Useful Discussions in Current Diet

今次国会経済産業委員会の有益な議論
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 政局・政策択一論がマスコミを賑わし、地道な具体策の国会論議が詳報されない時勢であるが、両院の経済産業委員会では、知財人材育成の基礎である学卒採用内定の取消問題、2兆円定額交付金見合いの金額をメタンハイドレート実用化に投入することの妥当性など、知財に直結する質疑応答も活発なので、ここにその若干を備忘する(SANARI PATENT要約)。

1. 中小企業の定義範囲の税制・産業政策間相違(2008-11-13参)
1-1 質疑: 中小企業基本法で、製造業は資本金3億円まで含まれるが、税法では1億円までである。3億円にできないか。減税額は約1兆円である。
1-2 応答: 税制の公平性・執行の簡便性といった税制独自の観点から定められている。しかし、緊急融資の対応だけで足りるとは思っていない。ご指摘の税制についても今後の課題として取組む。
2 「ものづくり」より「金融主役」の風潮(同上)
2-1 質疑: 金融は産業を支える脇役であって、主役ではないと思っていたが、最近は金融が主役になってしまい、その金融の失敗が大きな影響を与えたと考えられている。モノを作って稼ぐよりカネでカネを儲ける方が早いという風潮になった。就職できない若者がインターネットで株価トレンドのみ見て過ごすというような有様を、どう見るか。
2-2 応答:  金融には、企業の成長段階に応じた設備資金、運転資金の供給という使命がある。そして、リスクマネー供給を通じたイノベーションや事業再生・再編の促進も重要な機能である。その道を外れていると思われかねない状況が、国内外に生じていることは事実である。今日、その破綻が実体経済に大きな影響を与えている現状であるから、我々は、この金融をモノづくりやサービス産業といった実体を伴った産業も発展に有効に活用し、力強い経済成長の実現に重点を置くべきである。ベンチャーファンドとか事業再生ファンドとかいう面にも十分力を注ぎながら、現状をいかに回復させるかが課題である。
3 ニート、フリーター、内定、取消(2008-11-14衆)
3-1 質疑: 人材育成が必要だが、大卒、高卒とも、内定取消の事例が著増している。非正規雇用やワーキングプアの問題を含めて、さらには終身雇用的な雇用について、産業所管の立場で、どう考えるか。
3-2 応答: 内定取消については、法律でどうこうという以前に、関係方面とよく連携して、このようなことをできるだけ抑制してもらいたいという考えを伝える。終身雇用を支持する方々も増えており、長期的展望に立って人材の質を高める支援を検討する。

SANARI PATENT所見
 上記は両院経済産業委員会における応答の一例に過ぎないが、本質的、構造的問題について検討する場が活動していない。経済産業省の産業構造審議会も、分科会やそのまたワーキンググル-プの間歇的開催が見られるが、総会の総合会議が何を考えるのか分からない。内閣全体として、総合を名乗る機構が続出したので、互いに動き難いのであろう。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
金融、内定取消、ものづくり、税制、中小企業

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