2008年11月21日金曜日

METI Symposium For Patent Problem in Standardization

 経済産業省が「標準化戦略と知的財産権国際シンポジウム」を来月9日に開催(経団連会館)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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  「標準化活動におけるパテントポリシー、パテントプールの役割とホールドアップ問題への対応」と題する標記国際シンポジウムを 経済産業省が開催する(2008-11-20発表)。その目的は、「わが国の産業競争力に資する戦略的な国際標準化を進めるため、標準化と知的財産の取扱について、特にパテントポリシー、パテントプールの役割とホールドアップ問題への対応を考える機会を提供すること」である。

 経済産業省は今次発表において、用語の説明を付し、「パテントポリシー」は、「特許を包含する標準を作成する場合の考え方・手順」であるとしている。これは、このシンポジウムでは、そのように定めるということで、例えばITU(国際電気通信連合)のパテントポリシーや日本製薬工業会のパテントポリシーは、既に明文化された内容で制定されている。わが国ないしわが国の企業が、「戦略的」に考えるには、これら既存のパテントポリシーを前提として、世界市場における製品シェアを高め、事実上の標準化を達成することが前提であると、SANARI PATENTは予てから力説してきた。
 また、「パテントプール」は「複数の特許を複数の者が容易に利用できるようにするための合意」であるとしているが、パテントプールは公取規制が入り易い仕組みであり、わが国電子機器業界が外国企業を含めて展開している「包括的クロスライセンス契約」による企業グル-プのデファクト(事実上)国際標準化の実現が、標準化戦略の基盤であることも、SANARI PATENTが予てから力説してきた。
 さらに「ホールドアップ」は、「標準の作成後に、その標準の中に存在する自らの知的財産を理由に、困難な要求をする行為」であるとしているが、デファクト標準をベースにして国際標準化を進めれば、ホールドアップの問題は事実上発生する余地がないことも、SANARI PATENTが予てから指摘してきた。

 そこで翻って経済産業省の発表内容(SANARI PATENT要約)を考察する。
1. 今次シンポジウムの目的: イノベーションの推進における市場化ツールの一つとして「標準」が重要になっているが、先端技術分野では特許権などの知的財産権を含む標準の作成が不可避となりつつある。他法、標準化と知財をめぐっては、権利者のライセンス拒否による標準化阻止、多数特許の内ほウに伴うロイヤリティの累積を生ずる。これらの問題について認識を共有する。
2. シンポジウムの構成
ESTI(欧州電気通信標準化機構)関係者なども参加する。

SANARI PATENT所見
 平たく言えば、標準化を進める場合に、内包されている特許技術の特許権者が特許使用を拒否したり、高額なライセンス料を要求することへの対応というに尽きる。
 主催官庁としてま先ず、特許法上の裁定実施権規定を発動した事例が無いことへの反省、今後はどうかとの方針を明確にすべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
ESTI、ITU、国際標準化、パテントプール、クロスライセンス

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