2008年11月11日火曜日

伊藤元重教授のテクノロジーショック論

Digital技術革命と金融危機 東京大学大学院・伊藤元重教授のテクノロジーショック論を考察:SANARI PATENT論「Technology ShockがTechnology Innovationに先行」
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 特許庁が「イノベーションのための特許戦略」を掲げたのを始め、日米ともにここ数年来は「イノベーション」が錦の御旗とされてきた。その戦略構築の矢先に世界金融危機が発生したが、その起因を「デジタル革命によるテクノロジーショック」に帰するのが、今や国内外に令名益々高い東京大学大学院・伊藤元重教授の論説(allatanys.jp-net)である。
 SANARI PATENTの見方では、技術革新によるイノベーションの発現に先立って、技術革新によるテクノロジーショックが巨大に発生した、と結び付ける。先ず伊藤元重教授の論説(SANARI PATENT要約)は、

1. 今次世界金融危機は、まさに50年か100年に一度の大変な金融危機である。主要国政府・中央銀行の目先対応が奏効に至らず、巨大金融危機の基本的起因、危機終息に至る長期観測、その後の成長路線を熟考する余裕を持たない。
2. およそ金融の動きは経済実体を反映するものであって、金融自体が過熱を惹起し破綻して実体経済を同然とするのではない。すなわち、50年に1度の規模の金融危機の発生は、50年に1度の規模の実体経済激変に起因する(SANARI PATENT考察: 資金供給態様多様化のためのファンド形成、デリバティブ金融商品の多発、保険機構の非保全性放置、安易な公的融資・保証、民生金融金利制度不備のための住宅サブプライム金融破綻などは、金融機能自体の内部破綻で、金融起因の金融危機)とは言えないと、SANARI PATENTは考える)。
3. 私(伊藤教授)の現在の仮説は、デジタル技術化革命というテクノロジーショックが今次金融危機の背後にあるというものだ。
4. 前世紀最大の金融危機は1929年ウォール街の株暴落から始まったが、実体経済において、自動車等の機械・電気産業の大きなテクノロジーショックで株式市場・金融の膨張が原因である。
5. 今世紀初頭のITバブル崩壊を予測したデータとして、対比的に、1929年に株価は収益に比べて異常に高騰し、異常な株価収益率を示していたが、2000年の数値はこれより更に高く、株式市場が感ずるテクノロジーショックは、デジタル革命の方が自動車革命より大きいということになる(SANARI PATENT考察: 株価の騰落も金融システムの内部変動で、世界金融の激変動が世界株価激変動を来したと、SANARI PATENTは考える)。
6. 将来展望は、別に述べる。
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株価収益率、デジタル技術革命、伊藤元重教授、テクノロジーショック、金融危機

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