2008年11月3日月曜日

Institution For Diversifying Contents Busines

Reasonable Institution For Diversifying Contents Business: インターネットコンテンツビジネスの急速な進化・多様化に即応する制度構築
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 自民・民主両党が活用し始めたドワンゴのニコニコ動画の「動画」は、「画像」や「映像」よりも活発な語感で、両党首のスピーチにコメントが殺到しており、現代史の貴重なデジタルコンテンツとして解析対象資料になるものと考える。

 デジタルコンテンツの政界進出に先立って、音楽や映画のグローバルなデジタル流通は活況を呈し、広告業を含むコンテンツ取引はインターネット利用のモバイル化を含む進化・高度化によって、法制度の追随を迫っている。

 従って、経済産業省も今秋から「コンテンツ取引と法制度の在り方に関する研究会」を始めるなど、対策に着手しているが、現時点で問題提起されている事項を。以下に考察する。

1. 知的財産制度におけるコンテンツの特異性
  内閣知財戦略本部の発足後に、コンテンツが知的財産の大きな柱として位置づけられたが、特許権等の「知的創造サイクル」においては、技術進歩性要件の高度化が特許の質向上のため求められているのに対して、コンテンツの創造にはグローバル市民の全てが発信者・共同製作者として機能することが文化的にも産業的にも意義を有するから、特許の「創造と利用のサイクル」と、コンテンツの「創造と利用のサイクル」とは、質が異なるのではないか。

2. 保護水準と保護対象
  保護水準については、現在の権利者のみでなく、これから出現するクリエータをも考えた議論が必要であり、その際、創作者によって、自分はこれだけの保護(SANARI PATENT注:主として「対価」の意と解する)を望む、自分は保護を求めない(自由に使用してもらって良い)というような選択可能な複線化の議論も重要である。

3.コンテンツ分野の負担者
  コンテンツ分野における、負担すべき者が負担しておらず、負担すべきでない者が負担しているといった問題意識については、競争政策の分野で議論されていることが、その裏付けになるのではないか。

4. クリエータの活動環境
  補償金を徴するか否か、許諾を与えるか否か、といった議論に際しては、それによりどれだけ利用が増減するかなどの経済学的分析が必要である。
  補償金という制度は、契約のデフォルト対価の決定に関するものであり、契約変更のコストを誰がどの程度負うかにより対価額が決まってくる。
  補償金制度の評価においては、制度運営の社会的コストに留意すべきである。

5. 私的複製
  私的複製は元来自由であったが、複製が増大する一方で、個別に課金できないことを背景に経済的不利益が拡大し、補償金制度が創設されたのであるから、個別課金等ができるようになれば、その前提がなくなるのではないか。

SANARI PATENT所見
 内閣知財戦略本部では、補償金制度の拡充に向けた議論がなされており、経済産業省の上記5の議論と、早期整合を要する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Contents Business、私的複製、補償金、クリエータ、コンテンツ

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