2008年10月26日日曜日

Products of Community Patent Review

Recent Products of Community Patent Review(CPR):コミュニティパテントレビューの本格的実施による特許庁・民間の実体的合同審査をSANARI PATENTは期待
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 コミュニティパテントレビューという用語は、国民一般には未だ馴染みが浅いと思うが、特許庁が特許行政自体のイノベーション方策として、昨年7月に試行を開始した特許審査の手法で、米国特許商標庁(USPTO)で先発したコミュニティパテントレビューと同様の発想に基づく。

 なお特許庁は現在、「特許出願のレビューをしていただく研究者、技術者、知財担当者等のレビュアーを募集している(21 Oct. 2008 発表)。

 特許庁の解説は下記括弧内の通りであるが、SANARI PATENTが最もひらたく述べれば、特許権による独占権は、従来の技術と比べて新しい技術を発明したことに対する報償であるが、新しいかどうかの審査は、特許庁の調査と出願者の申出だけでは完遂できないので、出願内容を民間に示して広く新規性・進歩性・非自明性に関する従来技術の提示を促し、特許庁と民間の協力により審査を完遂する手法である。

「コミュニティパテントレビューとは、企業や大学等の研究者・技術者等からなるコミュニティが、インターネット上で、審査継続中のある特許出願に対するレビュー(最適な先行技術についての情報開示、議論等を行い、その結果有益な先行技術であるとされた文献等を審査用資料として特許庁に提出するという民間主導の取組である。
コミュニティパテントレビューは、現在(SANARI PATENT注:Jul.2007)米国で試行されているが、イギリスでも試行が検討されている等、今後、グローバルなインフラの一つとなることも予想されることから、わが国においても試行を開始する。」

 今月20日現在でコミュニティパテントレビューの対象案件数は39件、レビュアー登録数は241名であるが、対象案件の「発明の名称」を例示すれば、「電子メールの重要度表示方法および表示装置」、「ネットワーク中継プログラム、ネットワーク中継方法、ネットワーク中継装置および通信制御プログラム」、「サーバ装置、ログ情報管理システムおよびログ情報管理方法」、「電子クーポンの配信方法、サーバ装置およびクライアント装置」、「フレーム中継装置およびフレーム検査装置」、「情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体」が見られ、先行技術情報と共にコメントが提出されている。

 従来、特許付与と拒絶の双方について、従来技術との異同の判断、想到容易性をめぐって審判請求や訴訟提起が頻発しているが、審査の過程において、出願発明に関する従来技術の情報とコメントが民間から積極的に提出されれば、審査の促進と権利の安定に寄与することは明白である。審査の延滞や権利の不安定を専ら特許庁に帰責することは全くの誤りであって、出願者の従来技術完全提示、および、民間知財関係者がコミュニティパテントレビューにも積極的に参加しコメントすることの必要を、SANARI PATENTは、それらの人々が「責務」として自覚すべきであると、SANARI PATENTは考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
CPR、コミュニティパテントレビュー、特許審査、米国特許商標庁、USPTO、先行技術

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