2008年10月20日月曜日

Paradigm Shift Caused by Global Economy Turbulent

Fluctuating Paradigm Shift Theories Caused by Global Economy Turbulent:  世界経済激動が触発したパラダイムシフト論における知的財産の位置付け
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 今年7月の原油単価147円が10月中旬に69円と半減し、小麦、トウモロコシなどの主要農産物価格もおおむね同様の半減ぶりを示し、エネルギー・メタル資源・主要農産物の価格高騰ベクトル不変を前提とするパラダイムシフト論は、価格騰落不安定曲線を前提とするパラダイムシフト論に転換すべきであるが。未だその出現を見ない。
 一方、De-couple論 はRe-couple論によって置換され、米国不況の影響を新興国の経済発展により相殺できるという観測は、既に現実の連鎖不況によって抹殺された。
 更に基本的に、資本主義の本質的不安定性が認識され、金融危機への対応と規制ないし国家介入におけるパラダイムシフト論が流動している。

 これらの論点はイノベーションの在り方に直結し、従って、イノベーションを起動する知的財産創成の政策にも直結する。その動きを注視する前提知見として、ここでは経済産業省産業構造審議会の「現代産業構造の変化の本質」報告(Jul. 2008)における下記「変わる知的財産権の位置付け」の節(SANARI PATENT要約)を復習しておきたい。

 垂直統合型のクローズド・イノベーションからオ―プン・イノベーションへという大きな潮流変化は、知的財産権の位置付けにも影響を及ぼす。こらまで一般的であった垂直統合型のクローズド・イノベーションのもとでは、知的財産権は主として競争相手が模倣することを防止し、特定技術の発明者がその技術を独占利用することにより利益を挙げるための手段という位置付けであった。

 しかし、オ―プン・イノベーションのもとでは、自社外部の優れた技術を積極的に導入して、自社技術と組合わせることによりイノベーションを効率的に推進し、また自社の未利用技術を社外にライセンスして利益を得る等、外部プレーヤーとの知識・技術の流通を円滑に行うメカニズムが重要になる。

 こうしたオ―プン・イノベーションのもとでは、知的財産権は発明を保護して発明者に利益を帰属させるだけではなく、発明を広く多様な目的で活用することにより、発明者により大きなリターンを返すという役割が重要となる。例えばライセンシングという手段はそのための典型的な手法である。そのような意味において今後の知的財産権は、技術の広汎な利用を促しつつ対価を発明者に帰属させるための通貨・流動性という意味合いを強めるものである。

SANARI PATENT所見
 上記報告の標題は「知識組替えの衝撃」と表示され、「現代産業構造の変化の本質」と副題されているが、知的財産権の節のみを見ても、この標題との本質関連は把握できない。本年7月時点の報告であるから、冒頭にSANARI PATENTが指摘したパラダイムの激動要素によって報告内容が変動するのか否か、追跡すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Paradigm Shift、産業構造審議会、知的財産権、原油価格、資本主義

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