2008年11月1日土曜日

Compass for Materials Process Technology

METI Provides Compass for Materials Process Technology: 経済産業省「素形材技術戦略の策定について」発表(30 ct. 2008)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 経済産業省(担当:製造産業局素形材産業室)が「ものづくり基盤を支える素形材技術の羅針盤」と副題して、「素形材技術戦略」を発表した(30 ct. 2008)。
 素形材という古くからの用語は、一般には日常馴染んで用いられず、またその内容もファインセラミクスや複合材料を含むとうになるなど、固定的でないが、「素材に熱や力が加えられて、形状と機能が与えられた部品や部材を指称している。経済産業省所管の財団法人・素形材センターは、「The Materials Process Technology Center」と称しているが、素材のプロセス技術に重点を置いた呼称である。

 冒頭に、「経済産業省は、産学官の知恵を結集し、日本のものづくり基盤を支える素形材技術(鋳造技術、鍛造技術、金属プレス技術、粉末冶金技術、金型技術、熱処理技術)に関する素形材技術戦略を策定した」と述べている。戦略の内容は、「将来の素形材の目標を設定し、その実現に向けたシナリオを描き、それらの実現に必要な重点技術開発事項を整理し、その将来展望をロードマップしたもの」であって、経済産業省としては、「今後、これらの成果をもとにし、革新的次世代ものづくり基盤技術開発の企画・立案」を行う。

 なおこの戦略は、素形材センター、日本鋳造協会、日本鍛造協会、日本金属プレス工業協会、日本粉末冶金工業界、日本金型工業会、日本工業炉協会、素形材産業会界、日本塑性加工工学会、日本鋳造工学会、粉体粉末冶金協会、型技術協会、日本熱処理技術協会などの有識者で構成する検討委員会によって策定された。内容(SANARI PATENT要約)を考察すると、

1. 戦略の方向性
1-1 新たな技術体系の構築と軸足のシフト
1-2 素形材産業の提案型産業への転換促進
1-3 世界市場における優位性確保
2. 開発事項の分類
2-1 高品質、高付加価値化
2-2 設計、製造プロセスの高度化
2-3 社会的要請、制約への対応
2-4 グローバル化への対応

SANARI PATENT所見
 世界市場優位性やグローバル化を謳っているのに、知的財産権戦略や国際標準化戦略について、正面からの取組が記述されていない。ノウハウの占める比重が多い分野であるが、ノウハウの秘匿と特許公開のバランスも極めて重要である。また例えば金型産業については、著作権による保護の併用も考えられてきたのであり、分野別特異性にも配意しつつ、知財戦略の1章を別掲して加えるべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
METI、素形材、鋳造、鍛造、粉末冶金、金型

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