2008年10月1日水曜日

METI Reports Overseas Subsidiaries Movement

METI Reports Overseas Subsidiaries Movement (Apr.-Jun., 2008): 経済産業省が「第一四半期・海外現地法人の動向」調査結果を発表(29 Sept. 2008)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 わが国企業が知的財産を活用する場として、また、わが国の人的物的資源の不足を補う場として、更には、飽和しつつある内需から海外市場に活路を見出す場として、海外現地法人の設立とその活動は極めて重要である。
 活動の中身にまでは深く及び得ないにしても、海外現地法人の動向をいち早く概観することはグローバルな経済情勢把握の見地からも必要である。そこで、経済産業省の今次発表(SANARI PATENT要約)を考察すると、

(1)  売上高は、現状判断(「増加回答企業数の割合」―「減少回答企業数の割合」(第二四半期)、先行き(第三四半期)とも、前年同期比プラス幅が縮小しているが、地域別には、アジアは、前年同期比プラス幅をやや縮小し、北米および欧州は大幅に悪化している。北米は、現状判断マイナス5.6、先行きマイナス3.5と、約7年ぶりのマイナス水準である。特に輸送機器は、現状判断マイナス26.4、先行きマイナス13.3と、大幅なマイナスである。
(1-1) すなわち、売上高の現状判断は、プラス15.0で、前年同期比マイナス6.6ポイントプラス幅を縮小した。業種別に見ると、電気機械はプラス幅を拡大したが、化学、輸送機械、一般機械、鉄鋼はプラス幅を縮小した。地域別には、ASEANがプラス幅をやや拡大したがNIEs3(シンガポール、台湾、大韓民国)、中国はプラス幅を縮小し、北米、欧州はマイナスに転じた。
(1-2) また売上高先行きは、プラス14.4で、前年同期比マイナス5.3ポイントプラス幅を縮小した。業種別に見ると、電気機械はプラス幅を拡大したが、輸送機械、一般機械が大幅にプラス幅を縮小し、化学、鉄鋼もプラス幅を縮小した。地域別には、北米は輸送機械の悪化を中心としてマイナスに転じ、アジア地域はNIEs3、ASEAN4(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア)が僅かにプラス幅を拡大したが、中国、欧州はプラス幅を縮小した。
(2)  次に設備投資額は、現状判断、先行きとも前年同期比プラス幅を縮小した。アジアは前年同期比で概ね横ばいとなったが、北米と欧州は悪化し、特に北米は、先行きマイナス0.7で、約7年ぶりのマイナス水準である。
(2-1) すなわち、設備投資額の現状判断は、プラス15.8で、前年同期比マイナス2.3ポイントプラス幅を縮小した。業種別に見ると、化学、電気機械はプラス幅を拡大したが、鉄鋼、輸送機械、一般機械が大幅にプラス幅を縮小した。地域別には、北米を中心として、NIEs3、ASEAN4(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア)がプラス幅を縮小し、中国はプラス幅を拡大した。
(2-2) また、設備投資額の先行きは、プラス10.0で、前年同期比マイナス2.2ポイントプラス幅を縮小した。業種別に見ると、欧州は、一般機械、化学を中心にプラス幅を縮小し、北米は、輸送機械の悪化を中心にマイナスに転じた。地域別には、北米を中心として、NIEs3、ASEAN4(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア)がプラス幅を拡大し、中国はプラス幅を縮小した。

SANARI PATENT所見
 この調査は、31 Mar. 2008現在で資本金1億円以上、従業者50人以上の海外現地法人を有する全業種(ただし金融・保険・不動産を除く)のわが国企業を対象とし、そららが保有する海外現地法人のうち製造業で従業者50人以上、直接間接計の出資比率が50%以上の海外現地法人を調査対象としている。従って、海外現地法人4384を調査対象としたが、回答企業は3447である。
 報告は、上記のほか諸般の考察を示しているので、「現状判断」「先行き」の定義を理解した上で、四半期ごとに情勢の時系列推移を把握すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
METI、海外現地法人、現状判断、先行き判断、NIEs3、ASEAN4

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