2008年5月14日水曜日

Results of iSP International Symposium held by JST

Results of iSP International Symposium held by JST:科学技術振興機構主催国際シンポジウム「iPS細胞研究が切り拓く未来」の成果
弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 米国著作権法「フェアユ-ス」条項の導入(2008-5-13記事)

1. 標記国際シンポジウム(2008-5-11~12)の内容
1-1 JST(科学技術振興機構)は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)
1-1-1 山中伸哉京都大学教授らによって生み出された画期的研究成果であるiPS細胞の研究を一層推進するため、JSTは国際シンポジウム「iPS細胞研究が切り拓く未来」を開催する。
1-1-2 山中伸哉京都大学教授のiPS細胞研究は、JSTの戦略的創造研究推進事業チ-ム型研究(CREST)「免疫難病・感染症等の先進医療技術」研究領域における研究課題「真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立」などの中で進められているもので、JSTはこの研究を加速するため様々な支援を行っている。
1-1-3 今次国際シンポジウムは、iPS細胞研究に関する研究活動の重要性を踏まえ、世界の幹細胞研究のリ-ダ-に最新の研究状況について発表していただき、この研究分野における世界の研究者・研究機関・国などの取組の現状を報告し合うと共に、国際協調の在り方についての方向性を見出す機会として行う。
1-1-4 講演者は、山中教授のほか、英国カ-ディフ大学・マ-ティン・エヴァンス・生物科学部学部長(2007年ノ-ベル医学・生物学賞受賞者)、ドイツ・マックスプランク分子医薬研究所・ハンス・シェラ-所長、米国マサチュ-セッツ工科大学ホワイトヘッド研究所ルドルフ・イェ-ニッシュ教授等、イスラエル・オ-ストラリア・スエ-デン・シンガポ-ル・中国・韓国・日本などの研究者である。
1-2 今次国際シンポジウムにおける発表内容は、学会やマスコミによって逐一報告され、グローバルにiPS細胞研究開発への関心と期待を高めたと考える。
2 マスコミ報道の事例(SANARI PATENT要約)
  朝日新聞(2008-5-12)は「iPS細胞リスク減:米国研究所・化合物使う新製法」と見出して、次のように報じた。(SANARI PATENT要約)
2-1 「3~4個の遺伝子を体細胞に送り込んで作製するヒトの万能細胞(iPS細胞)」(SANARI PATENT考察:この括弧の意味は微妙で、万能細胞=iPS細胞とする意味の=ではない、と考える)について(SANARI PATENT考察:京都大学のiPSを含むと解する)、米国スクリップス研究所・シェン・ディン准教授は、「2個の遺伝子と化合物で作製することに成功し、遺伝子を1個に減らす研究も進めていることを、JST主催・国際シンポジウム「iPS細胞研究が切り拓く未来」で明らかにし、「数年以内に化合物だけを使ったより安全な方法を確立したい」と述べた。
2-2 iPS細胞については、体細胞の「初期化」(SANARI PATENT注:分化開始前の状態におくことと解する)を促す遺伝子の運び屋(SANARI PATENT注:ベクタ-、キャリヤ-)として使うウィルスの、発癌性を含む副作用の可能性があり、人工的に合成できる化合物で代替できれば、このリスクがなくなると見られる。

2. SANARI PATENT所見
2-1 上記2-2については、その化合物の非発癌性・非副作用性が毒性試験によって立証されなければならないが、2-1の発表では、化合物の内容は示されなかったようである。特許性については、医薬等の医療関係発明について、毒性の存否と治療効果の相関が重要な課題であるが、特許法と薬事法の2本建ての構造で安全性が確保され「産業上利用可能」となる。
2-2 「万能細胞」の語義については、文部科学省の資料には、幹細胞(Stem Cell)の定義として「分化が終了しておらず、いろいろな種類の細胞に変わる能力と、自ら増殖を続ける能力を有する細胞。通常の幹細胞は変化できる細胞の種類が限られているが、受精卵等を利用して作る胚幹細胞(ES細胞)は「万能細胞」と呼ばれ、あらゆる種類の細胞に変わる能力を持つ。幹細胞は、ほとんどの臓器や組織から発見されている」と述べている。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
JST、iPS、幹細胞、京都大学、文部科学省、万能細胞

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