2008年5月12日月曜日

JST e-Learning Curriculum for IP Strategy

JST Offers Excellent e-Learning Curriculum for IP Strategy:科学技術振興機構の技術者向けe-Learning Curriculumに知財戦略の新課程
弁理士 佐成 重範 Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 慶應大学・中村伊知哉教授の」デジタルネット政策論(2008-5-11記事)

  JST(Japan Science and Technology Agency)は予てより、技術者向けの先端技術e-Learning Curriculumを提供してきたが、進んで知的財産制度の課程を昨年新設し、今春から「知的財産戦略」の科目を加えた。その整備された体系と共に、「標準化戦略」、「オ-プンソ-ス戦略」などの、内閣知財戦略本部計画においても的確な表現が付与されていない戦略項目について明確な定義を示しつつ、技術者の自己研修に資していることは極めて賞賛に値する。
 その体系を評価するに先立ち、特に注目すべき記述を見る。

1. JSTの「知財戦略」(SANARI PATENT要約)
1-1 例えば「知的財産の戦略的活用」の章は、次のように分節されている。
1-1-1 事業戦略に」応じた知的財産の柔軟な活用
1-1-2 囲い込み戦略
1-1-3 クロスライセンス戦略
1-1-4 標準化戦略
1-1-5 オ-プンソ-ス戦略
1-1-6 ライセンスビジネス戦略
1-1-7 知的財産権の売却戦略
1-1-8 知的財産権の併用戦略
1-1-9 権利化後における知的財産の評価
1-1-10 技術者が留意すべき事項
1-2 このうち例えば「標準化戦略」は次のように定義されている。
 「標準化戦略=知的財産権を緩やかな条件で広くライセンスして、自社の技術を標準技術へと導く戦略」、すなわち、自社技術を他社A、他社B、他社Cへとライセンス先を拡大してA/B/C社以下各社をライセンスにより取込む戦略である。これにより自社技術を「事実上の標準技術」化してゆく。

2.SANARI PATENT所見
  現行の内閣知財戦略本部・知的財産推進計画2007(2008が未だ決定されていないので)には「国際標準化活動を強化する」と題する節を設け、「世界市場の一本化や国際標準を国内標準の基礎とすることを義務付けるWTO/TBT協定の発効、特許権を含む国際標準の増加など、国際標準を取り巻く環境は著しく変化している」と述べ、「企業における経営者層の、国際標準に関する理解の増進を図る」などの「意識改革」を対策のトップに掲げている。
  既に数十年にわたり国内外にわたる企業グル-プの構築によって、世界市場の占有率増大に熾烈な競争を展開し、その勝利によって「事実上の標準化」(de fact standardization)を国際標準として(ただし厳密には国際標準の一つとして)勝ち取ってきたグロ-バル展開企業の経営者・技術者にとっては、上記内閣知財戦略本部の記述には、かなり違和感があるはずである。
  このたびのJSTの1-2定義は企業戦略が標準化形成の出発点であり起動力であるという当然のことを述べたものともいえるが、行政主導で標準が設定された旧JISとの混同まで残存しているわが国の現状においては、極めて適切な教材である。
(修正の御要求・ご意見等は、sanaripat.@gmail.com へ!)
IP Strategy、JST、国際標準化、ライセンス、de fact standardization

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