2008年5月2日金曜日

National Institute of Informatics States on Digital Net

Vice President of National Institute of Informatics States on Digital Net :国立情報学研究所・東倉洋一副所長意見の考察
弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog SANARI PATENTは内閣知財戦略本部に要望(2008-5-1記事)

  新たに発足した内閣知財戦略本部「デジタル・ネット時代における知財制度専門委員会」の第二回会議は来る5月9日に開催されるが、既に委員・国立情報学研究所・東倉洋一副所長の意見が提出されているので、その内容を考察する。

1. 国立情報学研究所・東倉副所長の意見(SANARI PATENT要約)
1-1 デジタル・ネット社会における著作権制度の役割については、次の3視点から考究すべきである。
1-1-1 創作者である作家、画家、写真家、歌手、音楽家、演出家、演奏家等にとって、著作権制度の理解が困難であることが問題である。
1-1-2 誰にでも簡単に使える電子化された仕組みが必要である。
1-1-3 創作者の利益を金銭面に限定せず、なにがインセンティブになるかを検討・試行してみることが重要である。
1-2 デジタル・ネット社会の進展の中で著作権制度が不具合を起こしている点はどこにあるか、また、その具体的な問題はどこに生じているか、については、次の5論点が考えられる。
1-2-1 コンテンツのダウンロードやストリーミング配信のパッケージ処理の経費負担の重いことが、デジタル流通市場の発展を阻害している。
1-2-2 デジタルコンテンツの不正流通、不正利用の防止には、コンテンツ流通経路のトレーサビリティ(デジタルID、メタデータ、電子透かし、電子指紋)技術が必要となるが、個人購入財としての個人利用(私的利用)との両立が問題である。
1-2-3 デジタルコンテンツの流通市場は動き出しつつあるが、個人コンテンツ流通の側面からのDRM(デジタル著作権管理)へのソリューションが明確でない。
1-2-4 デジタルコンテンツ素材流通などの市場活性化には、著作者とコンテンツの認証、識別、複製、視聴、加工編集などの利用・再利用制御、課金、利益分配契約など、ビジネスルールが安全・確実に実行できる技術の研究開発が必要である。
1-2-5 E-Learning利用に関しては、教育利用の識別、視聴者の認証、デジタル教材の共有者数、ネットワークの範囲(Subnetの範囲か)の議論が未解決である。

2 SANARI PATENT所見
2-1 上記1-1-1については、次の問題を重要と考える。
2-1-1 著作権の所在(「職務著作物著作権の法人帰属」と「職務発明特許権の発明者帰属」との整合を、プログラムなどの著作権・特許権双方対象となる創出について、どのように調整すべきか、デジタル・ネット社会における創作のコラボレーションによる創作の著作権帰属をどのように定めるか)。
2-1-2 著作権法の有権解釈が示されず、例えば検索エンジンの適法視可能性について、文化審議会自体が、引用・黙示許諾など多数選択肢を列挙するにとどまる。
2-2 上記1-1-2については、「簡単に使える電子化された仕組み」の意味が、著作権処理に関することを明示して検討されたい。
2-3 上記1-1-3については、「インセンティブ」の多様性に即応する制度を構築すべきであり、著作権管理機構の画一的処理が著作者の意思に反しないよう、その運営の即刻反省、増設の慎重が必要である。
2-4 上記1-2については、情報通信審議会各委員会の技術的検討の経緯を活用して、速やかな結論に至ることが望まれる。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Informatics、国立情報学研究所、デジタル・ネット社会、電子透かし、DRM

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