2008年4月24日木曜日

Q & A for Revised Patent Law(Patent Troll etc)

Q & A for Revised Patent Law(Patent Troll etc):改正特許法に関する国会質疑応答の要約
弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 内閣知財戦略本部に対する要望(2008-4-23記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 著作権管理機構の在り方(2008-4-23記事)

  参議院経済産業省委員会(2008-4-10)の質疑応答について考察する。

1. 特許公開制度についての戦略的対応
1-1 質疑(中谷智司委員): 
わが国特許庁がインターネットで公開している特許データベースを活用して模倣するケースが増えているが、対策はどうか。
1-2 答弁(甘利 明 経済産業大臣):
1-2-1 特許電子図書館では、出願公開制度のもとで公開された特許情報をインターネットで提供している。この出願公開制度は世界の主要国で採用されている制度であって、出願内容の公表により重複研究による無駄な投資や重複出願を抑制すると共に、公表された技術を基にして、より優れた技術の開発を促進する重要な制度である。この公開情報を活用して研究開発を行うことは、外国の利用者に限らず日本の大学や企業でも通常行われている。
1-2-2 特許電子図書館の特許情報公開が技術流出を招いているという指摘があるが、公開により公知になった技術と同じ技術の出願が特許にならないのは当然である。公知になった技術から改良された発明は特許になる可能性があり、それを誰が実行するかが問題である。
1-2-3 経済産業省としては企業に対し、関連する周辺技術を含め、日本国内のみならず世界的にも特許を取得するか、あるいは出願せずノウハウとして秘匿するかを選択するなど、戦略的に出願管理を行うよう促している。
1-2-4 日本の企業も他国の特許出願を閲覧して、それを基に改良して更に特許を取得する権利があり、外国企業にも同様の権利ガあるのだから、一方だけ止めることはできない。従って、企業の選択としては、特許公開により、その周辺で新しい特許が生まれてビジネスになってゆく可能性の方が高いから、自ら全部カバーできるまで秘匿するというような戦略的出願管理が必要であることを、企業関係者にアドバイスしている。
1-3 SANARI PATENT考察
経済産業大臣の答弁が全く適切で、企業における特許制度への理解が不完全であることを企業が反省すべき場合が多い。
2. パテントトロール(Patent Troll)対策
2-1 質疑(松あきら委員):
2-1-1 パテントトロールというのは、自ら研究開発や製品の製造販売は行わず、また特許のライセンス契約も締結せずに、ある日突然、大企業に対して特許権を盾に特許権侵害訴訟を提起して高額な和解金やライセンス料金を取ることを目的とするものである。
2-1-2 米国ではプロパテント政策を裏付けるような三倍賠償の規定が存在し、ほぼ自動的に下される差止命令など、特許権者の保護が強く、また特許権者に有利な判決が出やすいと言われるテキサス東部地区の裁判所が選ばれるなど、パテントトロールの問題が深刻になっている。今回の大統領選挙の争点にもこの特許制度の変革や特許の質の向上が挙げられ、オバマ候補は、不確実で不毛な特許訴訟を減らすという主張をしている。
2-2-3 経済産業省が昨年公表した電子商取引および情報財取引に関する準則において、ソフトウェアに係る特許権の行使について権利濫用法理の適用を提示したが、この考え方をソフトウェア以外の技術の特許権についても適用することを明確にすべきではないか。
2-2 答弁(甘利 明 経済産業大臣)
2-2-1 特許侵害の可能性が出るのを待って、3倍損害賠償請求で巨大に稼ぐ米国パテントトロールビジネスの対象に、日本の企業も標的とされ、問題意識が高まっている。特許権が濫用的に行使されれば、産業の発展に悪影響を及ぼす恐れがあり、特許権の行使に関する民法上の権利濫用法理の適用の考え方を明確化することなどを、ソフトウェア以外も含めて検討する。
2-3 SANARI PATENT所見
  特許の質の問題に関連する。低度の進歩性についても特許性を認めれば、パテントトロールが活動する機会を増すこととなる。
(この記事について修正のご要求等は sanaripat@nifty.com にご送信ください)
Patent Troll、特許公開、ノウハウ、特許戦略、権利濫用

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