2008年4月23日水曜日

Foreign Funds Buy Small Enterprise With Valuable Patents

Foreign Funds Buy Small Enterprise With Valuable Patents: 外国ファンドによるわが国中小企業の特許ぐるみ買収
弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 中国における知的財産問題(2008-4-22記事)

  J-パワーについて経済産業大臣の対処が明示されたが、わが国中小企業が有する戦略技術が、次々と外国ファンドの丸ごと買収対象になりつつあることについて、経済産業大臣の答弁(2008-4-10 参議院経済産業省委員会)を考察する。

1. 藤末健三委員質疑(SANARI PATENT要約)
1-1 金属の表面加工分野で独自の技術を持つ中小企業が、昨年、韓国のメーカーにより買収された。メッキ加工メーカーなど、優秀な技術を持つ中小企業がアジア系の企業に買収されてしまった例も数件聞いている。かなり高額で買収するので、わが国中小企業者に技術防衛を要請することは困難である。
1-2 この場では恐らく、国際ルール以上のことを正式には議論できないと思うけれども、是非検討を深めていただきたい。現状のままでは、わが国の中小企業、特に中小企業が有する技術が、キャッシュフロー流入豊かな新興国企業にどんどん企業ごと流れてゆく。
1-3 J-パワーについては、外為法規定の「社会的インフラ」「安全保障」に該当するとして対処できるが、もっと幅広く、わが国の知財が外国に流出することを制度として止めるようにすべきである。
1-4 米国では既に、エクソン・フロリオ条項(SANARI PATENT注:Exon-Florio Provision: 国家防衛の目的を、「潜在性」を含めてどの程度広く認められるかによって影響が異なると考える)が立法され、事後的に議会や政府が判断すれば、外国企業が米国内の技術を持った企業を買収した場合、出資した場合に、技術の流出を止めることができるという法規制がある。実際に、わが国の原子力関係の企業が、米国の原子力関係の企業を買収した際には、米国の技術を日本に流出させないということで、管理人まで付けるというようなことまでやっている。
2. 甘利 明 経済産業大臣答弁(SANARI PATENT要約)
2-1 外為法によるルールは国際ルールであって、日本独自のルールではない。OECDの資本移動自由化コードに基づいて従来から規制している。世界共通のルールで日本だけが閉鎖的に行っているのではない。
2-2 米国は、エクソン・フロリオにより網羅的に、判断すれば全部規制できる、しかも遡って対応できるという、縦横無人に何でもできるというルールが資本自由化の米国にあるのだが、わが国の場合には国際ルールに即した範囲に限定して規制している
2-3 国の安全に係る業種、これは武器・航空機・原子力・宇宙開発などがあり、「国の安全」以外に、公の秩序に係る業種としては電気業・ガス業などの公的インフラなどがあるが、それ以外にも、国個別の事情による留保が国際ルール上認められている。外為法を今後とも厳格に運用し、技術流出による国も安全や公の秩序などに支障が生じないよう対処する。

3. SANARI PATENT所見
 質疑の目的に即さない答弁である。第一に、米国のエクソン・フロリオ条項に相当する規定をわが国においても定めることも適否について言及していない。間接的に「不要」としているようでもあるが、明確でないし、理由を明示していない。第二に、質疑者が示した技術流出の実例について、所見を示していない。またその前提として、エクソン・フロリオ条項(国防生産法)の「国防」の範囲や適用実例についての検討結果の説明がない。
(この記事について修正のご要求等は sanaripat@nifty.com にご送信ください)
Exon-Florio、外為法、J-パワー、公的インフラ、原子力

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

この投稿へのリンク:

リンクを作成

<< ホーム