2008年5月17日土曜日

Patents for Audition Ability

Patents for Audition Ability:高齢化社会対応で聴力回復新商品の活況
弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT 
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog SHARP/Yahoo新インターネット連携(2008-5-16記事)

 日本国民の平均寿命(精確には零歳児平均余命)が、この50年間に約20年も伸びたのに、定年年齢は数年延びたに過ぎないのは、心身機能の減衰曲線にはほとんど変化がないためと考えられる。聴力の加齢減衰はその一つで、職業機能における聴力の重要性は職種による差異がなく、またそのために定年後は無職生活を営むにしても、聴力の残存度はQOL(Quality of Life)に大きく影響する。
 最近、新聞等の広告欄には、ほとんど毎日、補聴器・集音機などの名称で聴力回復の新商品が登場しているのも、需要の著増を物語たり、聴力分野の特許発明の有望性を示している。
 ここには現時点での聴力関連特許公開の事例を見る。

1. 松下電器産業「無線電話装置」(公開日2007-3-29)
ノイズ磁界をさらに抑制することにより、難聴者にとって、より聴き易い無線電話装置を提供する。解決手段として、子機は、通話を電波として送受信する送受信部と、これを制御する制御部と、送受信部に電源を供給する電池および安定化電源部と、この電源部から送受信部および制御部に接続する電源ラインに直列接続され、導線を周回させたコイル部と電源ラインとを接続する接続ラインを有し、この接続ラインとコイル部を並行して隣接させたツイストベア線とした磁界相殺コイルを備える。

2. 富士通ゼネラル「空気調和機」(公開日2007-2-15)
本体に備えた報知手段により運転内容を音声で報知しつつ、音声に合わせて運転内容をリモコン装置に備えた表示部により切換表示することによって、聴覚と視覚により互いに補完して運転内容を正確に理解でき、また、ユーザーが弱視者あるいは難聴者であったとしても。聴覚もしくは視覚の何れかによって運転内容を理解できるようにした空気調和機を提供する。

3. 小野薬品工業「内耳疾患治療剤」(公開日2008-2-1)
突発性難聴等に代表される内耳疾患の予防、治療、症状進展抑制剤を提供する。解決手段として、複数のPGE結合活性を有する化合物、特にEP2アゴニストを用いる。

4. リオン「補聴器」(公開日2008-5-8)
難聴者にも電池残量の程度が認識し易く、円滑に電池交換できる補聴器を提供する。解決手段として、電圧検出部が検出した電圧に基づいて電池残量を算出し、発光手段を点灯制御する。

5. JST(独立行政法人・産業総研)「聴覚機能訓練方法および装置」(公開日2007-11-1)
難聴の種類に拘わらず聴覚機能を効果的に向上できる聴覚機能訓練装置を提供する。解決手段として骨導振動子を用いる。

6. SANARI PATENT所見
ヘッドフォン難聴など、難聴の原因も電子聴音機器の副作用として多様化し、伝音難聴・感音難聴など難聴現象も様々な様相を呈してきたが、高血糖値による合併症の場合、有毛細胞の減衰による場合など原因の究明も進み、その結果に基づく特許発明が人材の潜在能力発揮に役立つことが期待される。国費助成しても、その生産性効果は極めて大きいと考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Audition、松下電器産業、富士通、小野薬品、JST、リオン

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