2008年5月30日金曜日

METI Requests Public Opinion for Plant Engineering

METI Requests Public Opinion for Plant Engineering Policy:「プラントエンジニアリング業の活力再生」について経済産業省が意見公募(期限6-28)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog Volk’s Wagenと共同開発など「三洋電機の三発表」(2008-5-29記事)

 内需低成長期の日本産業において、プラントエンジニアリング業は海外需要の活発をグローバルに充足すべき中核分野である。経済産業省はプラントエンジニアリング業についての基本指針案を発表し(2008-5-28)、意見を公募している。その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. プラントエンジニアリング業に対する基本認識
1-1 プラントエンジニアリング業は、国内外の企業等から、石油精製、化学、製鉄、発電等の製造設備の企画、設計、調達、施工、施工管理を一括して請け負う産業である。プラントエンジニアリング業は、わが国製造業の競争力を強化し、産業インフラ、生活インフラの整備に貢献すると共に、海外各国におけるプラントの建設を通じて世界のエネルギーの安定供給、環境・資源エネルギー制約に対応した国際貢献、現地国産業の高度化への寄与を果たしている。
1-2 わが国のプラントエンジニアリング業事業者全体の年間受注高は約12兆円(2006年度)で、2002年度の約10兆円から増加傾向にあるが、その要因は、国内では電力プラント等の重要の堅調、海外では世界的に大規模なプラント新設ラッシュである。
1-3 売上高の構成は、業界全体では約75%が国内であるが、プラントエンジニアリング専業者では6~7割が海外である。

2. プラントエンジニアリング業における新技術開発
2-1 プラントエンジニアリング企業の競争力は、顧客が求める最終製品を、より経済的・高度技術的に生産し得るプロセスを提供し、顧客に高付加価値を提供できる程度によって評価される。従って、より大規模なプラントを設計・建設する技術や、既存の科学的知見の応用を活かした大量生産技術を開発・提供し、既存技術の総合化によって技術を差別化することが重要である。
2-2 また、気候変動等の環境問題や資源エネルギー制約が課題として益々重要になるので、プラントエンジニアリング業が有する工業化技術力や総合力が必要とされ、国主導等の技術開発プロジェクトへの積極的貢献が期待される。

3. プラントエンジニアリング業が当面するその他の課題
3-1 資材価格の高騰、人材確保難等によるプロジェクトリスクの増大
3-2 プロジェクトマネジメント人材の育成・確保
3-3 プラント建設という単一ビジネスモデルからの脱却(プラントの運営・保守管理に進出し、受注変動による経営の不安定性を緩和する。)
3-4 グローバル展開とローカリゼーション要求(技術移転・人材育成を含む)の双方への対応
3-5 マネジメント効率向上のためのITの活用
3-6 雇用・中小企業・社会的責任への対応

4. SANARI PATENT所見
  今次意見公募の対象指針は、産業活力再生特別措置法(1999)に基づいて策定されるので、プラントエンジニアリング業が全般的に「再生」対象であるかのような印象を与えるが、同法の「事業分野別指針」は、「過剰供給構造にある事業分野」または「生産性の向上が特に必要な分野」について策定されるものであり、プラントエンジニアリング業について見れば、供給力逼迫の好況のうちに過剰供給化の時流変動を孕むところに特徴があると解される。
  産業として対外的にも重要であり、このような潜在的特徴に対応する技術的・経営構造的イノベーションを企図する指針として、成案が期待される。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Plant Engineering、経済産業省、石油精製、産業活力再生特別措置法、プラントエンジニアリング業

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