2008年4月6日日曜日

Transfiguration of Outsourcing Business

Transfiguration of Outsourcing Business:From Manpower Outsourcing to Manufacture Outsourcing:株式会社アウトソ-シングのビジネス展開
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 特許制度の南北問題(2008-4-5記事)

1. オ-プンイノベ-ションとアウトソ-シング
1-1 「クロ-ズドイノベ-ションからオ-プンイノベ-ションへ」という戦略指向は、先進国共通の現象である。人的・物的・資金的・知的財産的な経営諸資源を企業内にクロ-ズして独占的利益を固守するビジネスモデルが、これら資源のグロ-バルな拡散によって却って不利となり、経営諸資源の共同利用を様々な態様で積極化することが次世代の戦略として必要であるという認識が高まり、既に実行されつつある。
1-2 内閣知財戦略本部の「オ-プンイノベ-ションと知的財産を巡る現状等について」(2008-2-5)において米国の状況を述べ、IBMが社内外の経営資源をイノベ-ションの源泉として位置づけていること、シスコシステムズが製品の9割を外部パ-トナ-の関与により創出していること、P&Gが社外資源を商品開発に活かして研究開発の生産性を6割増加したことなどを引用している。
1-3 わが国でも例えば、NECソフト株式会社は、同社と契約したシミック株式会社が、「転職者や新入社員がベテランのノウハウを共有できるナレッジマネ-ジメントシステムを導入したこと」などを事例として、「社内だけでなく、外部の新しい価値観を持った情報を共有してゆく時代」であることを強調している(NECソフトVALWAY No.31)。

2. 株式会社アウトソ-シングの今次報告(2007-1-1~12-31)
2-1 野村證券・東洋経済の会社四季報は、同社について次のように述べている。〔SANARI PATENT要約〕
 「工場製造ラインへの人材派遣・請負が主力。連結事業は生産アウトソ-シング。自動車エンジン性能試験受託が収益貢献本格化。主力の製造派遣・請負は好採算の請負比率の向上と優良取引先へ集中。現在5割の請負比率を9割まで拡充の方針。
2-2 同社の今次報告は、次のように述べている。(SANARI PATENT要約)
2-2-1 わが国の製造業においては、製品ライフサイクルの短縮により生産変動が激化し、国際競争の熾烈と相俟って、雇用の流動化と削減が不可欠であり、その結果、生産アウトソ-シング業界はわが国産業発展のため極めて重要な存在になっている。
2-2-2 当社は、人材派遣型ビジネスモデルから脱却し、「個人の付加価値と待遇のアップの追及を業績に結びつける請負」を推進し、売上高は対前期比14.7%増、売上総利益率18.2%を達成した。

3. SANARI PATENT所見
  生産アウトソ-シングは、オ-プンイノベ-ションの一つの重要な態様と考えられるが、同業界全体の課題として、日本製造アウトソ-シング協会会長(現在、株式会社アウトソ-シング・土井春彦社長)の次のメッセ-ジが注目される。(SANARI PATENT要約)
「製造アウトソ-シングは、メ―カ-の生存競争の中で積極的に活用され発展してきた。しかし、多くのメ―カ-が設備投資・人的投資を強化している現状においては、今後の製造アウトソ-シング業界は成熟産業になると共に、人材確保に一層の努力を要する。」
  SANARI PATENTは、いわゆる「発注元ブランド受託生産」も製造アウトソ-シングの主要要素と分類するから、生産規模拡大・集約化メリットの実現も、ここに期待が強まると考える。
(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)
Outsourcing、オ-プンイノベ-ション、製造アウトソ-シング、NECソフト、人材派遣

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム