2008年3月27日木曜日

Reality of U-Shin Management Principles

Reality of U-Shin Management Principles:グロ-バル自動車電装品・ユ-シンの今次事業報告に見る「選択と集中」
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 穀物需給激動下のバイオエタノ-ル(2008-3-26記事)

1. 自動車電装品・ユ-シンの企業理念
1-1 グロ-バルに事業拡大中のユ-シンの経営理念は、「Through respect and
principles, we are global---Respond to dramatic changes---」と掲げられ、他の企業の企業理念と同様に見事ながら、これだけではその実際は分らない。しかし、SANARI PATENTはユ-シンの今次事業報告に、自動車装備品等グロ-バルサプライヤ-として、企業理念の注目すべき顕現を見て、ここに要約・特記する。
1-2 なお、野村證券・東洋経済の会社四季報によれば、ユ-シン(東証1部)は1936年設立、キ-セットなど自動車電装品が主力で、マツダ増に加えてホンダ、スズキの世界戦略車受注も寄与し、増益。中国など子会社も順調な現状で、ハンガリ-工場を拡張し、マグネシウム鋳造設備を導入する。
RHJ(リップルウッド)(SANARI PATENT 注:Ripplewood Holdings
International。日本長期信用銀行、コロムビア、ソフトバンクテレコム,旭テックなどに関与。New Yorkに本拠を置く投資ファンド運営会社)の出資下にあるが、RHJから社長任命権返還を受け、順次RHJ出資引下げを合意した。

2. ユ-シン今次報告の内容(SANARI PATENT要約)
2-1 昨年後半からの、個人消費に水を差す世界経済の状況のもとで、自動車産業は、日米欧の世界主要市場が成熟し伸び悩んでいるため、アジア新興市場の潜在力に注目している。特に経済具体的急成長しているインド市場では自動車の購買層が拡大し、その獲得に諸国自動車メ―カが鎬を削っている。各社ともインドの人件費低廉と税制面の利点を活用し、インドを輸出拠点として小型車の海外販売を進める。
2-2 ユ-シンは早期にインドでの合弁事業を展開し、スズキほか内外の自動車メ―カから受注しているが、中国・タイなどコスト競争力のある地域からの受注活動を進める。また、マツダ・フォ-ド共同開発のグロ-バルカ-共通化の進展により、フォ-ドブランドのステアリングボディ-の受注が確定し、軽量化による燃費改善で環境に寄与する。
2-3 BRICsにおける自動車需要の拡大により装備品の世界的規模の需要拡大が見込まれるが、自動車メ―カの世界最適調達の動向により厳しい環境である。
2-4 ユ-シンは、RHJの資本参加を受け、企業価値の増大に取組んできた。その施策の一つとしてRHJ傘下の部品製造会社の買収案件の提示を受けたが、買収実施後に予想される投資効果があまり見込まれないこと、また、現時点においてユ-シンにとって重要なことは、M&Aなどによる急激な規模の拡充よりも、本業回帰、現地回帰で生産現場のロスを改善し、効率を高めることに軸足を固めるべきであると判断し、RHJの上記提示を採用しないこととした。

3. SANARI PATENT所見
Detroit News等が、「インドのタタ・モ-タ-ズが、Ford Motor傘下のブランド買収の合意に達した旨を報ずる(2008-3-25)など、自動車生産のグロ-バルな企業系列が変動しつつあり、「世界最適調達」(上記2-3)の在り方も変動する情勢下、ユ-シンの国際競争力発揮を期待する。
(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)
U-Shin、BRICs、RHJ、インド、ハンガリ-、自動車電装品

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム