2008年3月24日月曜日

Technology Strategy Map by METI

Technology Strategy Map by METI:経済産業省「技術戦略マップ」(2008-3版)の問題点
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 角川クロスメディア事業(2008-3-23記事)

1. 経済産業省産業構造審議会の「技術戦略マップ」(SANARI PATENT要約)
1-1 技術戦略マップは、国家的に重要な産業分野における中核技術のロ-ドマップを俯瞰するもので、各分野の産学官専門家・延べ数百人の英知を集めてロ-リング(逐次改訂)している。技術戦略マップは3つの層、すなわち、「導入シナリオ」、「必要となる技術の俯瞰マップ」、「中核技術のロ-ドマップ」の3層構造をもって成る。産学官が主要分野のイノベ-ション・シナリオを共有し、技術的課題と目標の俯瞰、異分野、異業種の連携を促進する。
1-2 対象技術分野は、次の25分野である。
1-2-1 情報通信の6分野→ 半導体、ストレ-ジ・不揮発メモリ-、コンピュ-タ、ネットワ-ク、ユ-ザビリティ、ソフトウェア
1-2-2 ライフサイエンスの4分野→ 創薬・診断、診断・治療機器、再生医療、癌対策技術
1-2-3 環境・エネルギ-の5分野→ CO2固定化・有効利用、脱フロン、化学物質総合管理、3R、エネルギ-
1-2-4 ナノテクノロジ-・材料の2分野→ ナノテク、部材
1-2-5 ものづくりの8分野→ ロボット、航空機、宇宙、MEMS、グリ-ンバイオ、超電導、人間生活、ファイバ-
1-3 3層構造は次の内容をもつ。
1-3-1 導入シナリオ→ 研究開発の成果が、製品・サ-ビスとして社会・国民に提供されていく道筋と、そのために取組むべき関連施策
1-3-2 技術マップ→ 技術の体系図で、技術的課題、要素技術を俯瞰すると共に、その中で重要技術を選定
1-3-3 技術ロ-ドマップ→ 研究開発への取組による要素技術・求められる機能の向上・進展を時間軸上にマイルスト-ンとして表示

2. 産業構造審議会における論点
2-1 技術戦略マップの分野の整理については、シ-ズ軸とニ―ズ軸の2次元で、俯瞰図として表現することも考えられる。
2-2 分類学ではないので、個々の分野の中味が重要である。サ-ビス工学分野の追加は評価できるが、サ-ビスの分野は将来的には、工学だけではなく製造業のサ-ビス化などへも広く発展する可能性を意識してほしい。
2-3 クリ-ン・サステナブル・ケミストリ-分野や、サステナブル・マニュファクチャリング技術分野は、日本にとって新しい分野であるから、今はカタカナ表記もやむを得ないが、一般人に向けてどのような用語が適切か、吟味を要する。
2-4 生活の質の向上という用語が出てくるが、生活の質についてのイメ-ジづくりをしておかなければならない。
2-5 技術戦略マップは、今のままではカタログである。カタログを踏まえて、政策的にどにょうな方向を目指すのか、考えるべきである。

3. SANARI PATENT所見
技術戦略マップは、経済産業省が構成した技術グル-プの討議の叩き台になっていると共に、業界各分野の議論を促す契機になると考える。しかし、産業構造審議会の内部に、釈然としない発言が多いことの方に、知財専門家として注目すべき要素があると考えられる。
(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)
METI、技術戦略マップ、ストレ-ジ・不揮発メモリ-、再生医療 

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム