2008年3月20日木曜日

President of TAKEDA Medicine Mr.K.Hasegawa

President of TAKEDA Medicine Mr.K.Hasegawa Comments on Patent Policy:内閣知財戦略本部にて同本部員・武田薬品・長谷川社長意見(2008-3-13)
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT
別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 内閣知財戦略本部が意見公募(2008-3-19)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 東芝・岡村会長のコンテンツ政策意見(2008-3-19)

平成20年度内閣知財計画の策定が進捗しているが、従来の年次計画と異なり、事業分野別の知的財産政策の在り方を示す内容となる。平成18年度まで内閣知財戦略本部のメンバ-に、医学者はいたが、業界は電子機器分野に偏していた。平成19年度から始めて、薬品製造業界の長谷川閑史社長が本部員に加わったが、特許政策について電気通信機器業界と医薬品業界の立場の相違が日米ともに顕著な面があり、長谷川本部員の発言が注目されてきた。以下これを考察する。

1. 問題の背景
1-1 武田薬品工業長谷川社長意見(SANARI PATENT要約:以下同)
技術創造立国実現のためには、世界に誇る新技術を次々に創出し、実用化することが必須である。京都大学・山中伸弥享受のiPS細胞(SANARI PATENT 注:Induced Pluri-potent Stem Cell:人工多能性幹細胞:マスコミでは「万能細胞」と呼んでいるが、京都大学では「多能」である )は、世界に誇る最先端技術で、実用化研究がスタ-トした段階にあるが、既に米国では日本以上に強力なパワ-で取組んでいる。今後は実用化研究が重要である制度が、それにも増してこれをサポ-トする知財戦略等の環境整備も併せて、国際競争上、重要な課題である。
1-2 SANARI PATENT考察
ヒト胚幹細胞以外の幹細胞については、ヒト幹細胞を含めて、わが国においても臨床医療に用いられている。医療行為そのものの発明に特許を付与することについて、3-2に述べたように、付与する場合には他の分野と全く異質な独占権制約(差止請求権排除など)を米国では課している。
  特許制度全般について、日米欧の制度調和が協議されているが、健康保険制度の相違を含めて、医療関係の特許制度調和を優先課題とすることが、特許庁のいわゆる「南北問題」の見地からも重要である。

2. 産学連携
2-1 武田薬品長谷川社長意見
米国では、大学が画期的な発明や基礎研究を行い、シ-ズを産業化に繋げる社会の仕組みが確立している。例えば、RNA干渉(SANARI PATENT 注:Ribonucleic Acid Interference 任意の遺伝子の発現を抑制するなどの方法として用いられ得る)の基幹技術(2006年ノ-ベル賞受賞)の産学連携では、RNAi分野のパイオニアである大学や研究機関が起点となり、ベンチャ-を介してトランスレ-ショナルに産業に結びつけるプロイノベ-ション体制が構築されている。
2-2 SANARI PATENT考察
産学連携をTLO体制のもとでの連携に限定すると、日米間では極めて大きな規模格差がある。しかし、大学の医薬研究室が企業と直結して特許取得、臨床使用に至っている事例、特に大学教授によって医薬ベンチャ-が設立され、野村證券などの助言で増資資金取得など実行している例も顕著である。米国大学の研究資金調達構造からも考究すべきである。

3. 先端技術の特許保護と資金支援
3-1 武田薬品長谷川社長意見
日本では医療行為に対して特許付与が認められていない。米国では治療法が特許対象になっている。欧州では弾力的運用がなされ、韓国においても広く特許を認める方向に動いている。わが国においても、特にiPS細胞から分化された細胞の使用方法(治療法の発明)等について、早急に米国と同レベルの特許保護を与えるべきである。
iPS細胞の研究成果については、従来の日本型の典型的な知財戦略でなく、米国を考慮した新たなパタ-ンの知財戦略の構築と実践が必要である。
3-2 SANARI PATENT考察
内閣知財戦略本部の発足当初から、医学畑の本部員によって、医療行為全般に特許性を認めるべき旨が強調され、専門調査会も設置されて、暫定的結論が報告された段階にある。わが国の特許法に「医療関連発明」を特許対象外とする規定はなく、「産業上利用可能性」の「産業」非該当認定による画定で特許付与対象を「特許審査基準」の改正によって拡大してきた。一方米国は、医療方法の特許権に対して、特許権の独占力を制約する「差止請求権の排除」などの措置を講じて、医療福祉と両立させている。SANARI PATENTは上記専門調査会の即時再開を、内閣知財戦略本部に要請している。
(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)
Stem Cell、iPS、特許審査基準、武田薬品工業、医薬特許、野村證券

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