2007年12月22日土曜日

Induced Pluripotent Stem Cell

Induced Pluripotent Stem Cell (iPS Cell):誘導多能性幹細胞(iPS)関連の知財権政策を明示する必要性
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT
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1. 文部科学省と内閣知財戦略本部の対応の整合が必要
1-1 京都大学・山中伸弥教授らのチ-ム(SANARI PATENT 注:研究の単独性・チ-ム性については別論)が体細胞から誘導多能性幹細胞(iPS)を得たことは、米国等の同分野研究成果と時を同じくして全世界に周知され、極めて重要な反響をもたらした(SANARI PATENT 注:生殖細胞由来でないこと)。
1-2 従って、文部科学省は、次の対応を決定した(2007-12-20)。
1-2-1 本年度中に、誘導多能性幹細胞(iPS)研究者間のネットワ-ク組織として「誘導多能性幹細胞(iPS)研究コンソ-シアム」を発足させる。
1-2-2 このコンソ-シアムは、京大の誘導多能性幹細胞(iPS)研究センタ-を中心として組織し、研究用に限って細胞を原則無償提供する。
1-2-3 特許について、京大に知財専門家を置き、取得を支援する。
1-2-4 同じく、米国における誘導多能性幹細胞(iPS)関連などの特許権の取扱に関する調査を支援する。
1-2-5 文部科学省は、本年度中に、「幹細胞・再生医学戦略委員会」を設置する。
1-2-6 誘導多能性幹細胞(iPS)の医療応用についての研究を公募する。
1-2-7 多くの幹細胞研究者が情報を共有し、オ-ルジャパンの支援体制を構築する。

2. 平成20年度内閣知財計画案におけるライフサイエンス
2-1 内閣知財戦略本部の「知的財産に関する競争力強化専門委員会・ライフサイエンス分野プロジェクトチ-ム」の報告(2007-10-30)に基づき、案が策定されつつあるが、今次誘導多能性幹細胞(iPS)創出(SANARI PATENT 注:ここでどの用語をもちいるべきかは、実は難しい問題で、ほかに、「生成」、「制作」など)が上記報告後に公表されたためか、前項1のような政策意識が存在していない。
2-2 すなわち、上記「知的財産に関する競争力強化専門委員会・ライフサイエンス分野プロジェクトチ-ム」報告の「検討の視点」は、次の記述にとどまっている。(SANARI PATENT要約)
2-2-1 ライフサイエンス分野の基幹技術の柱であるバイオテクノロジ-の急速な発展は、生物機能を利用した物質生産技術として、医薬、農林、食品産業等へ大きな影響を与え、新産業創出の期待も大きく、国際的に開発競争が激化している。(SANARI PATENT 所見:「物質生産」とあるが、「生物生産」、特に「新生物生産」に重要な課題がある)
2-2-2 しかし、わが国のライフサイエンス分野の競争力は、個別領域で欧米と競う水準にあるが、全般的には遅れている。(SANARI PATENT 注:具体的例示もないので、報告時点での誘導多能性幹細胞(iPS)研究の評価は不明)
2-2-3 この分野では基礎研究コストが膨大でリスクも大きいが、完成した技術の模倣が容易である場合が多い。従って、知的財産権による保護が重要である。

3. SANARI PATENT所見
  上記2-2-3について、誘導多能性幹細胞(iPS)の利用価値が絶大に評価・周知されたので、模倣意欲も大と考えられる。1-2-3と1-2-4の措置が重要である。
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Stem Cell 、iPS 、京大、誘導多能性幹細胞、ライフサイエンス

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