2007年12月13日木曜日

SANARI PATENT Innovating Materials

Innovating Materials 三菱ガス化学のメタキシレン系事業を範例として
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 明電舎の新製品
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 中国・フランスのMIKI
別サイトhttp://blog.goo.ne.jp/sanarishigenori/ 高純度化学の貴金属関連

  平成20年度内閣知財計画の柱の一つが「ナノテクノロジ-・材料分野」の知財政策である。そこでこの分野名称の検討から始める。

1.「ナノテクノロジ-・材料」という用語
1-1 この用語で一つの分野を表現することは、科学技術的でない想いがするが、内閣知財戦略本部、そしてその典拠である内閣科学技術会議自体がこの用語を用いているから、意味を理解して慣用することおなる。最小限、認識できることは、「ナノテクノロジ-・材料分野」という用語は、「ナノテクノロジ-分野」および「材料分野」という意味で用いられていることである。
1-2 新しい材料の開発がイノベ-ション(社会経済の跳躍的進歩)(SANARI PATENT 注:非連続的革新という表現の方が多い)に直結することは明らかであるが、どのような材料の開発が、どのようなイノベ-ションに直結するかが課題である。
1-3 その範例を求める意味で、本年度上半期の事業報告から先ず、三菱ガス化学のトッピックスを考察する。

2.三菱ガス化学のメタキシレン系事業(SANARI PATENT要約)
2-1 メタキシレンは、混合キシレンに含まれる成分のうち、最も分離が困難な成分である。三菱ガス化学は、このメタキシレンの商業生産を超強酸HF-BF3を用いた高度技術によって世界で始めて成功させた。
2-2 三菱ガス化学は、その誘導品の製造研究と用途開発を続け、独自の機能を持つ多様な製品を創出してきた。この結果、三菱ガス化学は、メタキシレン系事業においてグロ-バルトップシェアを有する。
3-3 三菱ガス化学水島工場で生産されたメタキシレンは、その大半が三菱ガス化学グル-プ内で自消され、多様な製品、例えば、MXナイロンになる。MXナイロンは、ガスバリア性に優れた樹脂で、食品の風味を保つために用いられている。
3-4 また同じくメタキシレン誘導体レニ-(三菱ガス化学の登録商標)は、機械的強度・防振性に優れたエンジニアリングプラスチックで、ケ―タイの筐体などに用いられている。
3-5 同じくメタキシレンから誘導される高純度イソフタル酸は、PETボトルの透明性と品質改善に使われるほか、ピ-チスキン、シルク調と言われる風合いの高級ポリエステル繊維や、プレジャ-ボ-トに使われる強化プラスチックの原料として用いられる。

4.SANARI PATENT所見
  電気通信分野に対比すれば、メタキシレンが基本特許・ノウハウに相当し、メタキシレン系誘導品が周辺特許・ノウハウに相当すると、SANARI PATENTは考える。誘導品の一つ、MXナイロンについては、米国にMGC Advanced
 Polymersが既存し、製造を開始しているなど、三菱ガス化学がメタキシレン系事業の世界的リ-ディングカンパニ- として地位を固めていることは、国際競争力強化の知財政策上、一つの範例と考える。
(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)
三菱ガス化学、メタキシレン、NXナイロン、高純度イソフタル酸、強化プラスチック

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム