2007年12月31日月曜日

Cross Media Business by KADAKAWA

Cross Media Business by KADAKAWA 角川グル-プが今期サ-ビス開始した新サ-ビス:クロスメディア事業
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT
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1. クロスメディア事業
1-1  情報通信分野やコンテンツ分野の企業が、クロスメディア事業として開始している事業の内容は、各事業の業種・業態によって異なるから、定義することは尚早である。丁度、角川グル-プの中間事業報告を受信したので、角川グル-プの場合を考察する。同報告は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)
1-1-1 角川グル-プではクロスメディア事業を、2011年に向けた戦略部門として展開するため、基礎構築している。一方、既に事業化され、会員募集やサ-ビス開始したサイトも多い。
1-1-2 事例として、ケ―タイ動画配信サイトは、アニメ、ム-ビ-、グラビア、ミュ-ジックの全てを楽しめるサイトである。
    このうちiム-ビ-ゲ-トはドコモのiモ-ドに対応した動画配信サイトで、話題のアニメ、懐旧映画、グラビア、ミュ-ジックビデオまで、多彩なジャンルの作品を配信する。
1-1-3 今までの動画サイトのようにデモ映像や作品の一部を見るのではなく、例えば映画ならば全編まるごとを楽しむことができる。11月15日現在、1000コンテンツ以上が視聴可能である。
1-1-4 バ-チャルワ-ルドウォ-カ-は、本年秋にサ-ビス開始したが、仮想世界のポ-タルサ-ビスで、クロスメディアにサ-ビスを展開し、セカンドライフだけでなく、新しいバ-チャルワ-ルドの最新情報を速達している。わが国のセカンドライフ参加者の半数がこのサ-ビスの会員である。
1-1-5 街ログは本年10月2日からサ-ビス開始したが、角川グル-プがソネット、電通と共同で設立したソネット・カドカワ・リンクが運営する地域探訪サイトである。

2. 出版事業
角川会長は、次のように述べている。(SANARI PATENT要約)
2-1  出版部門は、前期に「ダ・ヴィンチ・コ-ド」や「ブレ-ブ・スト-リ-」など超メガヒットがあって、対前年比ハ-ドルが高いなか、前期に迫る売上となった。良質作品の安定生産で、中ヒット作品をコンスタントに送り出すことができた成果である。
2-2  特にコミックは、大手出版社がスポットを当てなかったジャンルや作家にも積極的に働きかけ、作品と市場を創出してきたことが、「新世紀エヴァンゲリオン」、「ガンダム」など、ヒット作品として結実した。
2-3  さらに、角川グル-プのコンテンツは、メディアと国境を超えて活躍しつつある。昨年のヒット作「涼宮ハルヒ」は、動画投稿サイトのYouTubeに関連映像が超多数投稿・閲覧され、日米でDVDがヒットし、世界各国で認められる作品になった。
2-4  本年4月にアニメ化した「らき☆すた」も、YouTube やニコニコ動画で圧倒的に支持され、アジア、米国、欧州へとファンを拡大している。
2-5  世界でク-ルジャパンとして高評価のわが国コンテンツの三大表現手法は、「手書きアニメ」、「劇画」、「ライトノベル」であるが、Web2.0時代の新たなメディアが、角川グル-プのこのようなコンテンツを世界に発信し、日本コンテンツの世界先陣を勤めている。

3. SANARI PATENT所見
3-1クロスメディア事業は、角川グル-プの今次中間期売上高構成において18.6%を占めるが、この売上高139億円の営業利益は対前年同期を上回る6億6000万円と報告されている。今後メディアが益々多様化するので、この部門にはユ-ザ-の需要が著増すると考える。
3-2 日本コンテンツの対外発信が知財政策の課題であるが、本年は、カンヌ国際映画祭で「もがりの森」がグランプリ受賞、ミスユニバ-スに森 理世さん優勝、ミシュランの星が117店で星数がパリの倍になった、などの朗報もあった。(朝日新聞2007-12-30)
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Cross Media、角川グル-プ、クロスメディア事業、セカンドライフ、Web2.0

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