2016年3月15日火曜日

中小企業のための海外リスクマネジメントガイドブック




弁理士 佐成 重範 Google/Yahoo検索 SANARI PATENT



わが国中小企業の海外進出拡大は、全産業の海外進出の基盤をなすが、それは必ずしも円滑に構築されるとは限らず、進出先において様々なリスクに直面し、事業継続が危殆に瀕する場合も見受けられる。このような事態に対処して、SANARI PATENTに着信した経済産業省発メール(担当・中小企業庁経営支援部海外展開支援室)によれば経済産業省はこのたび、「小企業のための海外リスクマネジメントガイドブック」を策定した。

佐成重範弁理士所見→特に注目されるのは、「各国別リスク事象一覧;中小企業のリスク認識と想定事例」の詳細な表示である。事業環境上のリスク、すなわち、調達・生産・販売・バックオフィスと、外部環境リスク、すなわち、社会・自然現象と感染症の各カテゴリーについて、インフラ整備状況、製品とサービスの品質、顧客とのトラブルの態様、知的財産権に関するトラブル、治安などのリスク項目ごとに、リスクの例示、日本国内との比較において留意すべき事項と想定事例を網羅し、例えば、「現地従業員等の内からの不正アクセス」リスクについて、「日本国内との比較において留意すべき事項は、「企業へのロイヤルティや機密保持に関する意識の低さなどから、性善説を前提とした対策では効果を発揮し得ない」とし、想定事例として、「現地企業に製造を委託し、必要な技術を供与していたが、現地での特許出願はしていなかったところ、製造委託先のメーカーは、無断でその技術を自国内で特許出願し、その登録が認められるや、製造委託契約を解除し、今後は自社単独でその製品を製造販売すると通告してきた」と示して、中国・香港・台湾・韓国」・タイ・ベトナム・インドネシア」・フィリピン・マレーシア・シンガポール」ミャンマー・インドについて、ABCDのリスク強度評価を行っているのだが、そもそも、「性善説」などを引き合いにだすまでもなく、わが国中小企業の現地特許出願の懈怠が問題なのだから、上記経済産業省のテキストも、充分に吟味して読解すべきである。

(記事訂正のご要求は sanaripat@gmail.com に御送信下さい。発信者不明のコメントは辞退します)

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