2014年10月19日日曜日

実用ノーベル賞契機に職務発明制度の在り方に見解再対立


弁理士 佐成重範 Google検索・SANARI PATENT(知財戦略研究)
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Twitter: http://twitter.com/sanaripat
GDPの3大国、米国・中国・日本の特許法においても、職務発明に関する規定が顕著に相異していること(企業と従業員の契約に一任・特許法には無規定、特許権企業帰属、特許権従業員帰属・使用権企業帰属など変遷)周知として、わが国特許法での在り方が次期国会改正案提出を前にして既に大論議を惹起していることも周知の通りである。わが国特許庁の改正案は、経済産業省産業構造審議会の案(2014-10-17)と考えるべきだが、この案(SANARI PATENT要約は次の通りである。
「研究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の国際競争力・イノベーションの強化を共に実現すべく、以下の方針で職務発明制度を見直す。(1)職務発明に関する特許を受ける権利については、初めから法人帰属とする。ただし、従業者帰属を希望する大学・研究機関等の不利益にならないものとすると共に、職務発明に関する適切な取決めのない法人に対して特許を受ける権利が帰属することで、当該法人に所属する発明者の権利が不当に扱われることがないものとする)(2)従業員に対して、現行の法的対価請求権またはそれと同等の権利を保障する。(3)政府は、法的な予見可能性を高めるため、関係者の意見を聴いて、インセンティブ施策についての使用者等と従業者等の調整(従業者等との協議や意見聴取等)に関するガイドラインを策定する。」
佐成重範弁理士所見→上記(1)は原文(3)だが、SANARI PATENT要約においては一般の理解に即して(1)している。また上記(3)のガイドラインについて原文は、「研究活動に対するインセンティブは、企業ごとの創意工夫が発揮されるよう、企業の自主性を尊重すると共に、業種ごとの研究開発の多様な実態、経済社会情勢の変化を踏まえる」と注記していることに、特に注目すべきである。
(訂正のご要求は sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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