2013年1月5日土曜日

株式会社アエタスファルマ、旭化成ケミカルズ、青山学院などの制癌剤発明


弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT




医療行為自体の発明に特許付与の可否については、日米間に特許制度上の相異があるが、医薬品関連発明の特許性については特許制度上の相異はなく、薬事法許認可の実態についての相異が問題にされてきた。いずれにせよ、制癌剤のように、世界人口60億人が100億人に向かい、所得水準・食水準も向上して、発癌因子も著増する情勢下、新制癌剤の発明に対する期待は、グローバルに高まっている。特許庁のキーワードで制癌剤を検索すると、例えば、出願人・学校法人青山学院、発明の名称「環状デプシペプチド」(特許庁公開日2010-08-12)は、「医薬品として用いた場合に、副作用を回避できる程度の適度な生理活性を有する、新規な環状デプシペプチドを提供すること」を課題としているが、この「副作用」が、癌治療において極めて重要な阻害要因となっていることは、周知の通りで、この発明もここに着眼したものと解する。

出願人・旭化成ケミカルズ、発明の名称「外用剤」(特許庁公開日2012-06-24)は、「身体への優れた吸収効果を有し、感触が良く刺激の少ない医用外用剤を提供すること」を課題としているが、対象を制癌剤に限定していない。

出願人・株式会社アエタスファルマ、発明の名称「制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍効果増強剤」(特許庁公開日2012-07-12)は、「生体に対する影響が少なく、安全性が高い制癌剤耐性を有する癌細胞に対する抗腫瘍増強剤を提供すること」を課題としているが、「制癌剤耐性」という難課題に取組む発明として注目される。

佐成重範弁理士所見→外国企業、国内大学からの出願も多い分野だが、わが国産業再生の柱でもある医療分野の大きな柱としても、制癌剤発明の進展が望まれる。

(訂正の御要求は sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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