2012年8月3日金曜日

WSJのシャープ・ソニー評

アップル・サムスンと対比するWSJ論点

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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The Wall Street Journalの今次シャープ・ソニー発表に対する論評(2012-08-02)((SANARI PATENT要約)は、

1. 日本の大手家電メーカーの数社が昨年、過去最悪の損失計上で経営陣を刷新し再スタートしたが、シャープとソニーが発表した2012年4~6月期決算も不調だった。両社にとって再生への道程は長い。

2. 両社のライバルである米アップルと韓国サムスンが、スマホブームで過去最高益を計上する一方で、日本の家電メーカーは液晶テレビ事業の損失が重石となって交代を続けている。日本のメーカーはまた長引く円高で、生産コストが、海外販売価格を上回っている。

3. シャープは、国内外の同社従業員の9%、5000人の削減を、国内中心で実施する計画を発表した。さらに、国内でテレビと太陽電池の生産施設各1カ所を縮小する。シャープ奥田隆司社長は、「今リストラ(SANARI PATENT注: Restructure=構造改革)を実行しなければ、次の成長はない」と危機感を示した。シャープは、2013-03期の最終損益が2500億円の赤字になると見通し(2012-03期実績は3760億7000万円の損失)、当初予想の300億円の赤字から大幅下方修正した。

4. シャープは来年、2000億円の転換社債償還を控え、日本格付研究所は、シャープの格付をシングルAマイナスに2段階引き下げた。シャープは2012年3月に、台湾の鴻海精密工業グル-プに、液晶パネルの堺工場の株式の37%を売却すると共に、シャープ本体についても、鴻海精密工業が10%出資して合資している。

5. ソニーもシャープと同様、通期業績見通しを引下げた。ただし、シャープより軽微で、円高と家電売上低迷を理由として2013年3月期純利益を300億円から200億円に減額した。ソニーは既に1万人の人員減を発表している。スマホの販売目標を引上げたが、これにより低価格のデジカメやケータイゲーム機の売上が浸食される。

佐成重範弁理士所見→WSJの若林記者は、シャープと鴻海精密の資本業務提携の意味を、シャープとソニーの液晶パネル聯合の崩壊の面から考察しており、わが国の産業構造の在り方に直結する現象と考えなければならない。

(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)シャープ ソニー 鴻海精密工業

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