2012年6月20日水曜日

電炉中堅・東京鐵鋼における復興需要と東電電気代

東京鐵鋼の事業構造改革

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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素材産業の進歩は全産業発展の基盤だが、その中核である電炉業界の環境は厳しい。東京鐵鋼の今次報告(SANARI PATENT要約)で、その状況を見る。

1. 東京鐵鋼が属する電炉小棒業界でも、建設需要は力強さを欠き、製品市況は低迷する一方で、主原料である鉄スクラップ価格は高止まりするなど、厳しい経営環境が続いた。

2. 東京鐵鋼は、高付加価値のネジコンテンツおよび関連商品の拡販に注力すると共に、鉄スクラップ価格に見合った製品価格の実現に取組んできた。

3. この結果 2012-03期業績は、販売数量増加で売上高537億3600万円、前期比22.6%増を達成し、利益面でも、製品価格の改善により、鉄スクラップ価格との値差が拡大して、営業利益は29億0800万円、前期の2.2倍に著増した。

4. 東京鐵鋼は、単なる素材提供メーカーに留まることなく、エンジニア力を高め、高付加価値品の提供で差別化を進める。そのため、ネジテツコンの生産と継ぎ手など周辺製品の開発、および、提案営業に、経営資源を重点投入している。具体的には、設備では、品質・生産性向上のため、連続鋳造設備の改善、加熱炉の更新、圧延スタンドの増設を行い、販売網についても、全国営業網を整備しつつある。

5. また、廃自動車、廃家電処理に加えて、廃プラ、廃石綿など、処理品目とリサイクル対象を拡大している。

佐成重範弁理士所見→東京鐵鋼は技術開発も活発で、最近特許庁公開発明では、「鉄筋連結用シール部材」(特許庁公開日2012-06-14)、「圧延材の識別情報表示方法および識別情報表示装置」(特許庁公開日2012-04-26)などが注目される。一方、会社四季報が、「東京鐵鋼は、東電による電気代値上も重く、利益縮む」と指摘していることに、行政当局は十分配慮すべきである。

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