2012年5月9日水曜日

高張力鋼板と炭素繊維

新日鐵・JFE、東レ・帝人、トヨタ・日産、業界内・業界間の構造革新


弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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鉄鋼・繊維・自動車は、各別個の業界であったが、高張力鋼板と炭素繊維、電気自動車製造へ他業種参入など、競合関係が業界の内外にわたって混交する趨勢となった。別の観点から見れば、原単位構造・原価構造・機能構造の変動が、在来の複数業界を貫通して現出しつつある。

自動車構造材料としての高張力鋼と炭素繊維について見れば、強度と重量と原価の総合関連で、自動車業界・鉄鋼業界・繊維業界の各社対角線が交錯している。例えばマツダは、「世界最高強度の自動車用高張力鋼板を新型SUVIマツダCX-51に採用」と題して、住金等との共同による新自動車用部材の開発成功を発表したが、「新開発したのは、フロントおよびリアバンパーの内側に設置し、衝突時に、車体が受けるダメージを低減させるバンバービームで、従来の部材に比し、強度は約20%高く、重量は約4.8kgの軽量化を達成した」と説明している。

自動車用部材としては、アルミや炭素繊維が選択肢となるが、トヨタのプリウスのフードに、神戸製鋼のアルミ・鉄融合資材が用いられ、東レ・帝人が炭素繊維のプロペラシャフト素材を始めとする自動車構造体としての使用を推進しているが、特に、電気自動車の普及は在来自動車業界のみならず、車体メーカーの自動車製造参入も容易にし、ガソリン自動車に比し遥かに少数の部材構造であることが、適応炭素繊維の開発を容易にするが、米国のBoring707の機体に東レ炭素繊維が過半用いられた実績が、直ちに電気自動車に該当するには、空陸要素の相違と共に、コストの懸隔が、軽量・強度メリットとどのように相関する数値となるか、当面の課題であり、知財関係者の関与すべき競合分野である。

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