2011年10月2日日曜日

韓国Hyundai Motor Co.(現代自動車)生産方式の優位性と特許出願

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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世界自動車市場における現代自動車の優位化が相次いでマスコミされ、例えばREUTERS PRESIDENTは、「現代自動車は、これまで、トヨタを始めとする日本車の廉価な代替品と見做されてきたが、近頃は品質の面でもトヨタに追いついてきたとされており、2011-01の米自動車販売は、トヨタの16%減に対して24%増加した」と、今次大震災発生前(2011-02-16)に既に報じていた。
従って、例えば東洋経済誌(2011-06-04)も、「トヨタが恐れる「現代」、米中市場で席巻」と題し、「いつの間にか世界3位に躍り出ようとする韓国・現代自動車、いまやトヨタが最も意識している相手だ」と副題したが、「意識」どころか、「世界販売台数が2011年においてトヨタを抜く公算が出てきた」とも報じている。特に注目すべきは、「現代自動車が「廉価」のみでなく「品質」確保を重視し、かつ、そのための方策においてトヨタの「カイゼン」を否定し、「ライン長く作業も単純化」と解説していることである。トヨタ生産方式は、労使協調や長期雇用というトヨタの雇用慣行の上に成り立つシステムだが、現代自動車では、個々の作業者の熟練度を高めて同時に複数の作業をこなせる多能工育成ではなく、生産ラインの作用者の賃金を時間給とし、熟練度の向上よろも指示された仕事の量的完遂のみ求め、カイゼン専門の担当者にエリート人材を別途採用している」と解説したことである。
SANARI PATENT所見
「カイゼン」すること自体は当然必要で、その方法についてトヨタ方式に対する現代自動車方式を打ち出したと見る。両社の労働環境にも依存する選択肢だが、一方、技術革新は両社共に活発である。特許庁公開件数を見ても、トヨタ自動車9万4952件(2011-10-02現在)のうち、今年9月に入ってからの公開件数のみで554件(2011-09-01~10-02)に及んでいる。例えば(SANARI PATENT要約)、
(1) 出願人・トヨタ自動車株式会社「電圧変換システムの制御装置」(特許庁公開日2011-09-29)→ リチウム電池と電圧変換器を含む電圧変換システムの制御において、動作条件の変動があっても安定に動作することを可能にする。
(2) 出願人・トヨタ自動車ほか1「回転電機の冷却構造」(特許庁公開日2011-09-29)→ 冷却液供給管に供給される冷却液の圧力を、簡単な構成によって調整することができ、回転電機の冷却性能を向上させることができる回転電機の冷却構造を提供する。
(3) 出願人・トヨタ自動車株式会社「車両」(特許庁公開日2011-09-29)→ 電磁場 の共鳴を利用して、車両外部に設けられた送電コイルから電力を充電可能な充電コイルが底面に配置された車両において、送電コイルを簡単に位置合わせすることができる車両を提供する。
一方、現代自動車の日本特許庁に対する出願についても、例えば(SANARI PATENT要約)、
(1) 出願人・現代自動車株式会社ほか1「ハイブリッド車両用駆動モータの集中コイルの結合構造物」(特許庁公開日2011-09-29)→ ハイブリッド車両用駆動モータのうち、集中巻方式にてコイルが巻線されるモータであって、導体板とコイルの堅固な結合力を維持し、作業性及び耐久性が優れたハイブリッド車両用駆動モータの集中コイルの結合構造物を提供する。
(2) 出願人・現代自動車株式会社ほか1「高電圧バッテリーの高電圧安全装置」(特許庁公開日2011-06-16)→費用上昇を招来するインターロックを適用することなく、意図しない高電圧カバーの脱去を防ぐことができるHEV高電圧バッテリーの高電圧部に対する確実な安全性確保によって、消費者感性指数の増大と消費者信頼性を高める高電圧バッテリーの高電圧安全装置を提供する。などが見られる。
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