2011年9月4日日曜日

ヤクルト・プラスチック容器の立体商標、知財高裁で特許庁に勝訴後


弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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ヤクルト(商号はヤクルト本社)の海外比率は既に25%を超え、中国・台湾・米洲諸国始め31の国域で「飲料ヤクルト」のみでも毎日2208万本(2011-06実績)が販売されているだけに、「ヤクルトプラスチック容器の立体商標」問題の行方も知財専門家として大きな関心事だったが、ヤクルトの年次報告で、「これまでヤクルトプラスチック容器は、ロゴなしの容器について、立体商標の登録が認めらず、特許庁の拒絶査定に対するヤクルトの不服審判請求に対しても、特許庁審決はヤクルトの主張を認めなかったが、ヤクルトは知財高裁に特許庁審決の取消を訴求し、知財高裁はヤクルトの請求を認めた(2010-11-16)」と述べた(SANARI PATENT要約)。「海外で販売されているヤクルトでも同じ形状の容器が使用されており、既に米国・欧州諸国など多くの国域で立体商標登録が認められている」というから、わが国特許庁の過度慎重性(SANARI PATENT注:新型意匠権についても同様)にも再考の必要がある。特にヤクルトは米国において、カリフォルニア洲ファンデンバレー市で、米国初のヤクルト生産工場の建設準備を進めており、2012年に生産を開始するし、知的財産権問題が活発な中国では、天津市で中国3番目の工場を建設し2011年度中に製造販売を開始するから、知的財産権の確立にも十分な配意が必要である。欧州ではオランダで製造し、ベルギー・イギリス・ドイツ・オーストリア・イタリーなどで販売している。今後、経済の急成長が予想されるブラジル・メキシコでのヤクルト製造販売伸長も期待される。
ヤクルトの知的財産関連では、「基礎化粧品ブランド「ikitel」の化粧箱が2011日本パッケージングコンテストで化粧品包装部門賞を受賞したこと」(2011-08-31発表)、「オリゴ糖入り梅ドリンク新発売」(2011-08-11発表)などと共に、先端医薬品分野で、乳酸菌L.カゼイ・シロタ株含有乳酸菌飲料の継続引用が、粘膜免疫の保持に有効であるとInternational Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism誌電子版に掲載されるなど、ヤクルトの事業関連情報に関心が持たれる。
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