2010年11月10日水曜日

Registration of Patent License etc. to be Discussed at METI Meeting on Nov. 15

 経済産業省産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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知的財産の開発活用を様々な態様で活発化することが緊要だが、経済産業省は来る2010-11-15に産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会を開催し、特許制度に関する法制的な課題の論点を整理する。ここには、それら課題のうち「ライセンス契約について、登録対抗の見直し」に関する論点を見る。ライセンス契約は、特許活用の態様として、包括的相互ライセンスや、オープンイノベーション推進における重要な企業行動である。
特許庁は「qq対抗制度の見直しについて」と題して、次のように述べている(2010-08)(SANARI PATENT要約)。
(1) ライセンス契約について当然対抗制度の導入論→ 一般にライセンス契約においては、ライセンス契約の内容や、場合によってはライセンス契約の存在自体についても、当事者に秘密保持義務が課されている(SANARI PATENT考察: このこと自体は、ライセンスが授受双方の企業経営の根幹に係ることから、当然である)。そのため、通常実施権が許諾されている特許権が譲渡される際、特許権を譲り受けようとする者が、通常実施権の有無や内容について事前確認(due diligence等)をしたとしても、特許権者は秘密保持義務違反に問われることを恐れて回答できず、due diligence(SANARI PATENT注: 適性な情報開示義務)等が有効に機能しないおそれがある。
(2) 告知義務論→ このような問題意識から、例えば、「通常実施権を許諾している特許権者は、その特許権を譲渡しようとする際、特許権を譲り受けようとする者が求めるときには、その者に対して通常実施権が存在することを告知する義務を負う」というような「告知義務」を法律上規定すべきとの指摘がある。
(3) 他方、「告知義務」を法律上規定していない現状においても、due diligence等における特許権者の回答がライセンス契約上の秘密保持義務に抵触しないとの解釈や、due diligence等を行う弁護士限りでの開示、段階的な情報提供等による実務上の工夫や柔軟な対応により、実際にライセンス契約上の秘密保持義務違反が問題となることは回避されており、告知義務を法律上規定する必要はないという指摘もある。
SANARI PATENT所見
企業秘密保持と適正な情報開示義務とが相克する局面であるが、上記(3)のような指摘に依拠することは却って、当事者の法的立場を不安定にする(各国間の相違や時流による見解の変遷)と考える。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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