2010年11月14日日曜日

Copy Right for the Image of Steam Locomotives Disputed at IP High Court

 世界各地の蒸気機関車映像DVについて著作権訴訟・知財高裁
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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著作権侵害についての損害賠償請求訴訟は、訴訟当事者間の関係が法的に割り切れていないために誤解的に発生する場合も多い。知財高裁2010-11-10判決言渡された平成22年(ネ)10046号・損害賠償等請求事件も、おおむねこの類型に属すると、SANARI PATENTは解する。年賀状の文言まで引合いに出されているし、著作物使用の許諾の有無が黒白いずれかに定め難いケースであった。関連して、著作権使用料の計算方法や、弁護士報酬の計算なども示されているから、関心ある事項について知財高裁の判断を知っておくことが有用である。
本件知財高裁における控訴人Xは、世界各地の蒸気機関車の映像を本件DVテープに撮影した著作権者だが、被控訴人・株式会社大創造産業において、オスカ企画が控訴人に無断で、本件映像を編集し作成した作品について、被控訴人補助参加人との間でDVD化に関する契約を締結した博美堂から、本件DVDを買い受けて販売したことについて、著作権(複製権・公表権・氏名表示権・同一性保持権)を侵害するものとして、4950万円の損害賠償等を求めた。(SANARI PATENT注: 一般の方は、上記を随分長たらしい悪文と思われるだろうが、判決文のパラグラフは、もっと長い)。
争点となった一つは、このような侵害行為の発生について、控訴人(著作権者)の過失の有無程度、すなわち、控訴人に、著作物使用許諾の意思を推認させるよな行為があったかどうかで、あったと認められれば、損害賠償額に過失相殺が作用すべきこととなる。判決は1割の過失相殺を認めたが、その判断過程には、「控訴人も、翌年の年賀状で、謝意を表したことをもって、控訴人が、放送用映像制作を知っていた根拠とすべきか」についての論考などがある。また、本件映像が、「控訴人にとってライフワークの結晶というべき心血を注いだ映像」であるならば、本件DVDが販売されるまで、本件DVDテープをオスカ企画に預けたままにしていたこと自体、不自然である」などの論点がある。
SANARI PATENT所見
今次知財高裁判決は、被控訴人に対して、控訴人に対し、329万円の損害賠償等を命じたが、上記過失相殺についての考え方、著作権料を映像販売価格に販売数を乗じて、その5%と判示したこと、弁護士報酬を判決損害賠償額のうち著作権侵害に係る額の10%として判決損害賠償額に含めたことなど、一般人も関与の課の性ある著作権事件についての知識として、知っておくべきである。
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