2010年9月3日金曜日

Where is Reliable Economics Theory, That’s Our Question

円高、デフレ、ケインズ、シュンペーター、金融工学、イノベーション
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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円高還元セール、海外旅行の徳用、M and Aの定価実現など、円高・デフレを享受する反面、政界経済界では円高・デフレ対策が叫ばれ、信頼すべき経済理論の不在に迷う声もある。また、円高とデフレを切り離して議論する向きと、結合して議論する向きがある。
やはり基本的な経済理論を省みて、変動する情勢に対応する修正理論を自ら構築するほかない。手始めに、ダイヤモンド社の「いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ」(2010-02-25)、および、岩波書店の「グローバル資本主義と日本の選択」(2010-03-10)の要所を摘記する。
(1) Lehman Brothers Shockにより、効率的市場仮説(The efficient Market Hypothesis)の誤りが明らかになったが、これを乗り越える手掛かりはJohn Maynard Keynesの処方箋だ。
(2) Keynesは市場の役割を否定したのではなく、市場経済は時として機能不全に陥り、金融市場も例外でないと説く。投機が金融市場で果たす積極的な役割もあるが、バブルとなれば深刻な状況に陥り、経済の回復を市場の自立調整機能のみに委ねることは危険である。
(3) 経済が機能不全の時、企業や政府は何をなすべきか。どの経済、いつの時代にも該当する公式はない。政策は常に、現実を踏まえた総合判断である。
(4) Lehman Brothers Shock後の事態は、歴史的大転換点である。1980年代後半の社会主義崩壊の時も、計画経済を基本とする社会が論理的にも破綻し、市場経済という正反対の理論をつかわないと緯持できなくなり、一つの時代が終わった。今、逆の減少が起きている。
(5) 世界の最著名金融機関が、一時的にせよ国有化され、巨額の公的資金で救済されたのは、自由主義経済とは言えない。この対処は、金融自由化を中心とするグローバリゼーションによって世界市場がフラットになり、全てが豊かになるというイメージ全体を、原理として、完全に裏切った。
(6) 現在の特徴は、資源インフレと資産デフレが潜在的に同居していることである。
SANARI PATENT所見
Joseph Alois SchumpeterもJohn Maynard Keynesも、没後半世紀を経ているのに、その所説が回顧されるところに、一世紀に一度というLehman Brothers Shockの重大な意義がある。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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