2010年7月25日日曜日

China’s Way of Thinking on Global Climate Change 

中国は気候変動問題を、こう考える
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 J-PowerのGlobal Edge誌2010-Summerを贈られたが、注目すべき記事は、「気候変動問題に関する中国の考え方:持続可能な発展戦略としての低炭素経済」である。注目すべき要点は、次の一節に集約されている。
「中国政府にとって、CO2排出削減による低炭素経済の実現は、環境保護政策ではない。省エネ・省コストを目指す国内向けの産業政策・産業戦略・発展戦略である。」
 丁度、同時到着した野村証券のIR誌2010-Summerは、「意外と知らないエネルギーの世界」を特集しているが「意外と」どころか、「ほとんど知らない」状態と言っても過言でないとSANARI PATENTは考える。従って、国内をさておき先ず中国についてJ-Powerの記事(SANARI PATENT要約)を再読する。
(1) 中国はCO15において、国際社会から批判を浴びることを承知の上で、自国の経済発展を優先させたのだ。
(2) 中国で気候変動問題を担当するのは外交部ではなく、国内の経済発展を任務とする国家発展改革委員会である。
(3) 中国が省エネ・省コストを重要政策とするのは、気候変動防止のためではなく、日本ほどではないものの、中国が実は「資源小国」だからである。
(4) 中国エネルギー青書(2009-10)によれば、中国エネルギー資源の総量は、世界の約1割以下だが、人口は2割だから、一人当たり資源量は世界平均の4割に過ぎないことを、中国の指導層は強く認識している。
(5) 中国は1900年頃は石油輸出国だったが、その後輸入超過に転じ、現在では石油の半ば以上を輸入に依存している。中国のエネルギー資源の中心である石炭も、100年居ないには使い切る見込みで、石油は約15年、天然ガスも30年未満と見られている。
(6) 要するに、環境問題への中国の発想は、あくまでも自国の持続可能な発展のための省エネ・省コストを目指すことで、国際社会への貢献は二次的な関心でしかないということである。(SANARI PATENT考察: ここに中国の強さの根源がある)。
(7) 中国には「天が落ちて来たら背の高い人が支える」という諺があるが、気候変動問題は背の高い先進国が資金と技術を提供して解決すべきである(SANARI PATENT考察: 従来の蓄積害悪の責任も含めて)という考えがあろう。
SANARI PATENT所見
 米国の各州は、それぞれ州内産業の振興に熱心だから、中国と同様の考え方が先に立っているとSANARI PATENTは観察している。世界のためにという発言よりも、州内産業の競争力強化のためのエネルギー対策という発言を多く見受ける。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)  

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