2010年6月27日日曜日

So-Called Patent Problem of New Medicine Seemed as Serious

 国内の新薬開発数減少と「特許切れ2010年問題」の帰趨
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 製薬会社の事業報告書に、頻繁に掲げられてきた課題、「特許切れの2010年問題」については、今次経済産業省バイオイノベーション報告書(2010-06)も、次のように言及している(SANARI PATENT要約)。
(1) 日本は新薬を創出できる日米欧10カ国のうち第3位であったが、国内での新薬開発数が減少し、特許切れの2010年問題が深刻化している。なお、新薬のオリジン国別品目(世界売上高上位100品目について)数の序列は、米国・英国・日本に次いで、スイス、フランス、ドイツ、ベルギー、デンマークである。
(2) しかし、日米欧5か国における新薬開発品目数を見ると、日本は、1996年を1とする場合、2006までに0.6に減少し、開発品目数が減少している。米国(1.7)、英国(1.35)、フランス・ドイツ(共に1.2)と、いずれも1を上回っているのに、著減は日本のみである。
(3) 日本の大手製薬会社の多くにおいては、大型医薬品が収益に占める大型医薬品の比率が高いが、それらの医薬品の特許切れが2010年前後に集中し、新薬の開発が急務になっている。(SANARI PATENT考察: 一般消費者の立場からは、特許切れで多くの製薬会社が自由にその医薬品を生産でき価格が低落することは望ましく、ゼネリック医薬普及の潮流が加速さるべきだが、なかなか単純には運ばない。日本の製薬会社にとっては、特許切れが医療保険の薬価下落に直結することが問題であること、一般消費者も認識すべきである。)
(4) 特許切れ主要製品(ブロックバスター)として経済産業省が例示しているのは、エーザイのアルツハイマー治療剤「アリセプト」が2008年度売上高782億円でエーザイの売上高の10%を占めるが、2010年に特許切れ、第一三共の合成抗がん剤「クラビット」は940億円、11.2%だが2010年に特許切れ、武田薬品の糖尿病治療剤「アクトス」は3879億円、25.2%だが、2011年に特許切れと示している。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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