2010年6月26日土曜日

Inefficiency of the New Medicine Research and Development Indicated by METI

 経済産業省バイオイノベーション報告書「医薬品研究開発の効率低下」
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
 経済産業省 バイオイノベーション研究会報告書(2010-06)は、「医薬品産業における研究開発効率の低下」について次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
(1) 世界的な医薬品開発コストの増大や、安全性基準の厳格化等により、研究開発効率が低下している。
(2) 臨床試験に必要な症例数の増加等の要因により、世界全体の上市あたりの研究開発費は急増している。2003年には上市1品目あたりの研究開発費は12.5億ドルに達したが、これは1996年の2倍以上である。(SANARI PATENT考察: 随分古いデータの提示しかできていないが、個人研究論文から引用している。1976年5400万ドル、1982年1億2500万ドル、1987年2億3000万ドル、1990年3億5900万ドル、1994年4億ドル、1996年6億0800万ドル、2001年8億8000万ドルを経て2003年12億5000万ドルと表示している。)
(3) また世界的に、新薬の成功確率も減少している。合成化合物段階からの成功率を見た場合、1996~2000年の成功率が12,076分の1であったのに対して、2003~2007年のそれは21,677分の1で、約半減している。
(4) 臨床試験に入った後も、PhaseⅠ~Ⅱの臨床試験初期段階での成功率が低下しているが、これは安全性検討、仮説検証段階での成功率が低下していることを意味している。臨床試験を開始しても、上市に至るのは1割未満になっている。(SANARI PATENT考察: PhaseⅠ、すなわち第1相臨床試験は、臨床薬理試験で初めてヒトに投与する段階で、これに先立ち、急性慢性の毒性試験が動物実験で行われるが、そのコストも高騰している。PhaseⅡ、すなわち第Ⅱ相臨床試験は、薬効・安全性試験で用法・用量決定を目的とする。PhaseⅠについて見れば、1994~1997年においては、開発候補品数5.6のうち1品が上市されたが、1998~2000年では11.7品のうち1品と、成功確率が半減したと表示している)。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム