2009年1月5日月曜日

Bayer’s iPS Relating Patent by Japanese Inventor 

誘導多能性幹細胞戦略の国際特許競争
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 再生医療を始め人類福祉の希望をもたらす誘導多能性幹細胞(iPS:Induced Pluripotent Stem Cell)の開発については、その高度実用性のゆえに、特許開発をめぐる激しい国際競争が展開されつつあるが、「国際」の意味が、国間のみならず発明者の国籍間にも及んでいることは、知財戦略上、特に注目すべきである。

 例えば2008-12-25を公開日として公表されたドイツ・バイエルの「出生後のヒト組織由来未分化幹細胞から誘導したヒト多能性幹細胞」発明は、バイエルのバイエル・シェーリング・ファーマアクチエンゲゼルシャフトを出願人、発明者を桜田一洋外2名として公開された。その{課題}は次のように述べられている。 
「移植細胞の免疫拒絶を回避できる患者自身のゲノムのみからなるヒトのES細胞(SANARI PATENT注: 胚性幹細胞:Embryonic Stem Cell)と近似した性質を有するヒト多能性幹細胞を出生後のヒト組織に由来する細胞から樹立する。」
 その解決手段を次のように述べている。
「様々な出生後のヒト組織に存在するTert、Nanog、Oct3/4およびSox2の各遺伝子が後成的な不活性化を受けていない未分化な幹細胞にOct3/4、Sox2およびKlf4の3つの遺伝子あるいはOct3/4、Sox2およびKlf4の3つの遺伝子およびc-Myc遺伝子またはヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤を導入することでヒト多能性幹細胞を誘導できることを見出した。」

 日本特許庁における「幹細胞」に関する特許公開件数は3129件(2009-01-04現在)に達するが、うち、昨年12月に公開されたのは、国立新潟大学出願の「ヒト歯根膜細胞株、この細胞株から分化した造骨細胞およびこの造骨細胞から作製した人工骨」(公開日2008-12-11)、ヌヴェロ, インコーポレイテッド出願の「幹細胞増殖因子様ポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関する方法および材料」(公開日2008-12-18)などがある。

SANARI PATENT所見
 誘導多能性幹細胞を始め、医療関係の特許開発促進のためには、医学専攻者の人材増強が必須である。臨床医の充足のみを考えた医学部定員増の案を、大幅に拡充すべきである。薬学・生理学・生物学では代替できない。
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iPS、多能性幹細胞、特許公開、造骨細胞、再生医療

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