2008年8月2日土曜日

Diamond Coating Technology of OSG

Diamond Coating Technology of OSG: OSGダイヤモンドコーティング技術の航空機部品加工におけるグローバルな優位
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://sanaripat.exblog.jp コマツ建設機械の新興国展開とKOMATU Hybrid System (20080801記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 世界海運活況とダイハツディーゼルの好調(20080801記事)

 OSG株式会社の中間期事業報告(2007-12-1~2008-5-31)が届いた。世界25国に57の販売・製造拠点を持つ総合工具メーカーであるが、売上高・営業利益とも増加し、技術開発の成果を示している。
 今次報告で特に関心が持たれるのは、「世界地域別の売上高・利益構成」と「ダイヤモンドコーティング技術の優位性」である。

1. 世界地域別の売上高・利益構成(SANARI PATENT要約)(前年同期比)
1-1 日本:    売上高 1.5%増   営業利益 15.9%減
1-2 米州:        4.0%増        15.3%増
1-3 欧州:       29.0%増        40.1%増
1-4 アジア       13.6%増        12.2%増

2. OSGのダイヤモンドコーティング技術(SANARI PATENT要約)
2-1 OSGは世界で初めて、超微結晶ダイヤモンドのコーティング技術を開発した。これにより工具の長寿命化が可能になる。また、微細結晶のコーティングであるから、小径の工具や複雑な形状の工具にも施工できる。
2-2 ダイヤモンドコーティングドリルは、次世代航空機の主要材料である炭素繊維樹脂や、アルミニウム合金でできた自動車部品などの加工に適する。燃料価格の急騰で、航空機開発には燃費向上の要求が高まっており、そのため次世代航空機の主要部品には、軽比重・高強度の炭素繊維樹脂が適するが、炭素繊維樹脂は切削加工が困難な材料で、従来のドリルでは短寿命のため生産性が上がらなかった。
2-3 OSGのダイヤモンドコーティングドリルは、炭素繊維樹脂の切削加工において長寿命加工を可能にし、現在は世界航空機加工メーカーにおいて広く使われている。

3. SANARI PATENT所見
3-1 上記1の今次中間期において、OSGの海外売上高比率は45.4%で、前年同期の43.1%を上回ったが、OSGは50%達成を期している。日本独自技術のグローバルな展開のためにも、OSGの経営の一層の向上のためにも、早期達成が望まれる。
3-2 米州では日系自動車産業および航空機産業の好況、南米ではブラジルの自動車・航空機・農業機器産業向け拡販、アルゼンチンに販売子会社の設立、欧州では統括本社所在のベルギーを含む8主要市場における一斉好調、アジアでは中国・インドを中心とする拡販体制の強化が、OSGの今次中間期好業績に寄与したと考えられる。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
OSG、Diamond Coating、炭素繊維樹脂、アルゼンチン、ブラジル

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