2008年8月1日金曜日

METI Vice Minister Comments On After WTO Negotiation

METI Vice Minister Comments On After WTO Negotiation:WTO閣僚会議決裂の影響について経済産業事務次官の応答
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://sanaripat.exblog.jp KDDIのモバイル金融事業・モバイルWiMAX事業(20080731記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ NECがLTEデモンストレーションセンタを開設(20080731記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 京セラブランドのプラチナ指輪(20080731記事)

 今次WTO閣僚会議決裂の影響について、経済産業事務次官の応答(2008-7-31)(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 国内製造業への影響
1-1 質疑: 決裂が国内の製造業等に与える影響と、今後交渉再開に向けての取組はどうか。
1-2 応答: 決裂は極めて残念だというのが関係者全員の気持ちと思う。閣僚会合でモダリティ合意ができなかったことは、大きな痛手であるし、世界的景気後退が懸念される中で、このラウンドの早期妥結が自由貿易体制の維持・強化、保護主義の牽制、途上国を含めた貿易拡大による世界全体の景気浮揚という観点から重要であるので、引続き妥結に向けて努力することは、われわれの責務である。わが国は、このドーハラウンドの交渉妥結に深くコミットしているから、引続き努力する。

2. 交渉再開の目標時期
2-1 質疑: 米国大統領選もあり、交渉再開は困難という見方があるが、再開の目標時期はあるか。
2-2 応答: 年内妥結に向けては最後のチャンスであったということは、疑いのない事実と思う。今次交渉過程での進展を無駄にしないよう、どういう形でこれから立ち上がってゆくか、なかなか難しいが、少し時間が要ると思うが諦めずやってゆく。

3. 今後の具体的アクション
3-1 質疑: 具体的なアクションについて、現時点で何か見通せるもの、予定されているものは、特段ないのか。
3-2 応答: 現時点では、少し時間をおいて冷やすことしかない。主要国の中での政治スケジュールもあるから、もう少し時間をおくほかない。

4. 今次決裂の事情
4-1 質疑: あと一歩のところまで来ていて、最後の一歩を詰め得なかった事情は何か。
4-2 応答: 先週金曜日にラミー事務局長が再提案を出した際には、多くの国がこれを土台に交渉することを受け入れていた。その後、交渉が相当進展して、合意のイメージが見えた瞬間もあったが、土壇場では、農業の途上国向けの特別セーフガード等の論点、これを中心として先進国と途上国の意見の相違が解けず、時間がかかってしまった。

5. 米国の立場
5-1 質疑: 結局、米国が主因か。
5-2 応答: 各国が色々な立場でいたから、どの国が主因かということは、なかなか言えない。特に7国の少人数会合では、各国がそれぞれ色々な意味で、他の出席していない国の分も含めて代表意見を出しているから、出席国していた特定国の責任にするのは。いかがかと思う。ただし、インド・中国と米国の対立が鮮明であったことは事実である。

6. SANARI PATENT所見
  米国は利幅が大きい大型車に25%関税を課しており、EUも輸入自動車に10%関税を課しているので、わが国自動車業界では、これら関税率引き下げへの期待が大きい。更に、他国のFTAが進展し、例えば韓国とEUとのFTAが成立すれば、わが国の自動車メーカーは一段と厳しい立場にたつなどの予測がある。
  わが国農業界にも「守りの限界」が認識され、交渉再開の時期は別として、構造改革・知財開発の必要性が再確認されたと考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
WTO、経済産業事務次官、自動車関税、EU関税、FTA

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