2008年7月5日土曜日

International Competitiveness of Electronics Industry

International Competitiveness of Electronics Industry:「エレクトロニクス産業の国際競争力の向上方策」(経済産業省2008-07-04発表)について意見公募
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 原油価格について経産省北畑隆生事務次官応答(20080704記事)
このサイト http://sanaripatent.blogspot.com/ ITサービス事業におけるリスク評価(20080704記事)

 経済産業省(担当:商務情報政策局情報通信機器課)が標記方策案を発表し、来月2日期限で意見を公募する。以下その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

 案を作成した経済産業省の研究会は、10名の委員で構成され、関係企業から、富士通総研・安部忠彦取締役、松下電器産業・桂 靖雄常務、エルピーダメモリ・坂本幸雄社長、トヨタ自動車・重松 崇常務役員、日立製作所・武田英次執行役常務、ソニー・原 直史業務執行役員SVP、日本IBM・丸山 宏執行役員、UBS証券・山本高稔副会長が委員として参画している。

1. エレクトロニクス産業の現況
1-1 エレクトロニクス産業は、生産総額27兆円、雇用者数121万人を擁するわが国の代表的産業である。社会システムや国民生活に直結する様々な機器を通じて社会全体の生産性向上と豊かな国民生活を実現する。
1-2 しかし、2001年のITバブル崩壊以降、各社業績に概ね回復基調が見られるものの、諸外国の企業との比較において、持てる力を十分に発揮した業績を示すに至っていない。将来に向けての戦略お蝶の軸となる分野への戦略的な集中投資が遅れている。
1-3 また、各社の総花的な事業展開の結果、同質的製品間での過当競争を生じ、値引き・薄利をもたらしている。
1-4 これに対して、AV家電やディスプレイデバイスの分野では、大きな事業再編が進んでいる。その内容が合弁会社設立や生産部門提携を超えて、事業撤退や事業部門買収など経営面における集約化まで進めば、状況の変化が期待される。
1-5 一方、戦士部品に特化して技術を高め、世界のセットメーカーとのビジネスにおいて高い売上高営業利益率を獲得している企業や、半導体製造装置などマザーマシンの分野において、グローバル競争の中で価格以外の製品付加価値を請求することで高いシェアを獲得している企業もある。

2. 競争力強化の方策
2-1 過去の事例・経験からの教訓を活かすこと
2-1-1 規制・商慣習を含め、様々な既得権益的なものが生まれ、本来の市場メカニズムに何らかのバイアスがかかると、結果的にはグローバルな土俵での競争力がつかず、国内市場の成熟と共に事業が行き詰まる。

2-1-2 競争相手が多すぎると、熾烈な価格競争によって薄利を余儀なくされ、逆にサプライヤーの数が少なく価格支配力があるケースでは、次の研究開発投資・設備投資の原資となる利益を確保してイノベーションを活性化し、競争力を持続できる。

2-1-3 日本のエレクトロニクス企業は、部門ごとの研究開発費は少ない(SANARI PATENT注:分散されているという意味)。
2-1-4 欧米・アジアの企業に比べて、経営者の報酬水準が低く、リスクを取らない傾向をもたらす。

2-2 競争力向上のため必要な能力を開発すること
2-2-1 差別化されたソリューションを提供する力
2-2-2 グローバルマーケティング
2-2-3 グローバル市場の創出とそのコントロール
2-2-4 異用分野の融合
2-2-5 経営者の指導力、迅速な判断
2-2-6 新たなビジネスモデルとサステナブルモデルの創出
2-2-7 競争力指標による「見える化」
2-2-8 選択と集中

3. SANARI PATENT所見
  この研究会としては、国際競争力に関する的確な指標の作成と、諸国政策の客観的に精確な対比を示すことを目的とし、「経営者の報酬水準」にまで検討を拡散させないことが望ましい。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
International Competitiveness、Electronics Industry、富士通総研、松下電器産業、エルピーダメモリ、トヨタ自動車、日立製作所、ソニー、日本IBM、UBS証券

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