2008年7月2日水曜日

Backwardness of Japan Trade Mark System

Backwardness of Japan Trade Mark System (Problems of Trade Mark by Sound, Motion, Hologram) : わが国商標法の後進性(欧米・中韓対比)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
関連サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/  「吉田松陰」商標登録拒絶(20080630記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog  企業買収防衛策の在り方(経済産業省)(20080701記事)

 新興国の巨大人口を含むグローバル経済の進展に対応すべく、経産省産構審商標委の6月会合でも商標法改正の検討が行われているが、わが国商標法規定の後進性が目立ち、審査基準改定で措置できないとすれば、法改正を急務とSANARI PATENTは考える。ここには、「音・動き・ホログラム」などによる新商標についての経産省産構審商標委検討経緯を見る(検討内容はSANARI PATENT要約)。

1. 新商標
1-1 企業活動のグローバルな進展に伴い、自己の商品・サービスを他社のそれから差別化する手法は、ますます多様化している。このような状況のもとで、自己の商品・サービスであることを示す標識について、従来の文字・図形から構成される伝統的なものから、テレビ・ラジオ広告で使用される特徴的な音など、新しいタイプのものが使用されている実態がみられる。
1-2 音・動き・ホログラムなどの新しいタイプの商標は、欧米など主要な諸外国では商標法の保護対象として規定されているのに対して、わが国では現在のところ、保護の対象になっていない。
1-3 国内3100社対象のアンケート調査によれば、新商標のうちいずれかを国内で事実上使用している企業の割合は60%、ニーズ(新商標のうちいずれかの保護を希望する企業は82%に達した。タイプ別のニーズは、音の商標63%、位置商標60%、ホログラム商標58%、動く商標55%、色彩のみの商標42%、香りの商標25%、味・触覚の商標20%である。
1-4 新商標はわが国においては現在、商標法上の保護対象になっていないが、欧米等の主要な諸外国では商標法上の保護対象とされている。従って、次の論点について検討を要する
1-4-1 商標として保護すべき対象
1-4-2 商標の特定方法と権利範囲
1-4-3 商標の同一性および類似の範囲、著作権等の他の権利との調整
1-4-4 新商標の導入に伴う商標の定義の見直し
1-4-5 同じく商標の使用の定義の見直し

2. SANARI PATENT所見
2-1 欧米のみならず中国では、新商標を含む全ての商標を保護対象とすべく法改正を検討中であり、韓国では2007年7月から、視認し得るもの、すなわち、色彩、動き、ホログラム等の商標の保護を開始し、さらに保護対象を全ての商標とする法改正を検討中である。知的財産権制度の国際調和の見地からも、早急な措置を要する。

2-2 従って、審査基準改定で対応可能な限度まで、新商標を法の保護対象として明示すべきである。わが国商標法の「図形・記号」などを、「「必ず視覚によるもんでなければならない」という解釈が「逐条解説」にしめされているが、弾力的に解釈すべきである。

2-3  経産省産構審商標委の委員として、産業界から新たに、富士通・内海法務部担当部長、花王・遠藤ブランド法務部長、カシオ計算機・小山ブランド戦略部長、キッコーマン鈴木知財部主管が加わったので、現在の業界ニーズがより迅速に充足されるよう期待する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Trade Mark、ホログラム、富士通、花王、カシオ、キッコーマン

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