2008年3月7日金曜日

Problems for USPTO

Problems for USPTO:米国特許商標庁の課題
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ SANYO Releases Lithium Battery Bicycle(3/6)
ご参考:2005-3-5 本サイト Global Innovation五極特許出願

4.USPTOの課題(その2:特許出願の滞貨処理、訴訟コスト)
4-1 特許庁資料(SANARI PATENT要約)
4-1-1 米国特許商標庁(USPTO)は、2002年から2006年の間に3672名の特許審査官を採用したが、2028名の審査官は辞職するか他のポストに移動したため、増加したのは1644名にとどまった(米国会計検査院)。
4-1-2 世界の特許システムは危機の時代を迎えている。これは、係属中の出願の増加、審査の質の低下、諸国特許庁による重複事務、出願コストの増加によって特徴付けられる。現在USPTOには47万5千件の滞貨が残存し、この傾向が継続すれば審査待ちの特許出願件数は数年中に(SANARI PATENT 注:特許庁資料原文には2008年までに、とあるが早過ぎると考える)、100万件に達するであろう。その時には多くの技術について、USPTOは出願から特許登録までに5年以上を要することになるであろう(SANARI PATENT 注:わが国は現在約2年半)。同様の状態が世界中の特許庁で発生するであろう。(元USPTO長官)
4-1-3 USPTOは毎年1200人審査官を採用しているが、その採用・維持が困難で、経験の少ない審査間がシニアと見られるような状態である。従来USPTOは、特許弁護士(SANARI PATENT 注:米国では出願代理資格が、弁護士で特許出願代理資格を認められた者と、特許出願代理人資格者の計約3万人で、わが国弁理士数約7700名の4倍である)に丁寧に応対し、比較的迅速に審査してきたが、それが難しい時期になっている。(米国外有識者)

4-2 パテント資料(SANARI PATENT要約)
4-2-1 米国における特許問題は、次のように2大別される。
4-2-1-1 訴訟コストが過大になった。例えば、マオイクロソフトは毎年70億ドルの研究開発をしているが、訴訟において毎年1億ドル以上の、主として防御訴訟費用を必要としている。その原因は、USPTOにおける審査の質の問題、パテントトロ-ル、特許権者による差止請求、ディスカバリ-制度などである。
4-2-1-2 付与される特許の質と、これに関連してパテントトロ-ルが増加した。
4-2 USPTO自体の問題は滞貨である。米国は2007年度に出願が40万件を超えて世界最大の特許出願大国になった。
4-3 対USPTO特許出願の半数を外国出願が占める。外国出願増大の最大の理由は、経済のグロ-バル化による世界市場の形成・拡大において、最大の市場が米国であるということである。

5.SANARI PATENT所見
5-1 上記4-3の「世界市場の拡大」が、米国のみならず世界諸国の市場占有のための対諸国特許出願著増をもたらしている。
5-2 上記4-2-1-2の「特許の質」の課題は、日米ともに「質」の評価基準自体が定立されていないから、「米国審査官の質」と分別して検討すべきである。
(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)
USPTO、特許審査、特許審査官、特許弁護士、マイクロソフト、パテントトロ-ル

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