2008年3月3日月曜日

Assessment of Sleeping Patent:休眠特許の評価

Assessment of Sleeping Patent:休眠特許の評価:特許権の質、有用性、産業上利用可能性、進歩性
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ リスク管理(2008/3/3)

1. 朝日新聞の「休眠特許」紹介
1-1 特許権を休眠させておく理由は多様に想定できるが、防衛特許、待機特許などは、いわば積極的な特許戦略的意義を有する。実施やライセンスによる活用を希望こといるのにできないでいる特許権を、ここでは「休眠特許」と呼ぶことにする。
1-2 朝日新聞が毎週ないし隔週の日曜日紙面で、「休眠特許」と題する欄を設け、具体的事例を解説している。昨日の日曜日には、「靴に装着、つまづき防止」という理解し易い例示解説が掲載された。
1-3 この掲載によってライセンス希望企業が現れ、休眠特許が活用特許になることが望まれるが、紹介記事を書かれた渡辺知二氏も、「難点は外観。発明者は、電車に乗れば前の人が気づく、というが、繁華街に出かけるには勇気が要る。ファッション性をどう兼ね備えるか、そこが課題だ」と批評しておられる通りで、「商品性に先ず問題がある」と考えられる。
1-4 紹介記事には、次のように書かれてある。(SANARI PATENT要約)
「高齢になって体の動きが鈍ると僅かな段差でつまずき転ぶ。Gさんは偶然、右足の靴底のつま先部分が剥がれ、「舌」のように垂れ下がってしまった。靴底のペラペラが地面に引っかからないように気を付けていたら、その後、普通の靴をはいても、つまずかなくなった。歩き方が微妙に変わったからときずいた。Gさんはそこで、剥がれた「舌」「ペラペラ」を普通の靴の底に付けることを発明した。」

2. この「発明」のその後
2-1 Gさんは、発明の名称を「転倒回避爪先上げ警告具付き歩行活性具、ならびに前記警告具付き履物」として、特許出願し(2005-6-1)、登録査定を得て登録した(2006-4-21)(2006-334353)。
2-2 特許請求の範囲は、3請求項から成るが、請求項1は、「履物裏面爪先部に、弾性素材による舌状薄圧小片の踵方向部のみを着脱自在に装着し、この舌状薄圧小片の爪先方向部は垂れ下がり状態を保つことによりなる転倒回避爪先上げ警告具」で、請求項2は舌状薄圧小片を重ねて接合するなどした警告具」、請求項3は、請求項1と2の警告具体を各着脱自在に備えた履物」である。

3. SANARI PATENT所見
  特許登録から約2年を経て休眠特許と紹介されたので、紹介者の心配のように、商品性に問題があると考えられるが、「舌」状のものが「つまずく原因」にもなりそうで、それをわざわざ普通の靴の底に付けるのであるから、素人には理解が必ずしも容易でないと考えられる。
  知財専門家としては、発明の進歩性、非自明性(Non Obviousness:米国)、産業上利用可能性、有用性・商業的成功(MPEP:米国特許審査基準)、容易想到性などを論ずる際の引用資料として活用すべき事例であると考える。
(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)
Sleeping Patent、休眠特許、Obviousness、MPEP、進歩性、有用性

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