2008年2月22日金曜日

HOYA Wins Eyeglass Patent Suit

HOYA Wins Eyeglass Patent Suit:HOYAの「眼鏡レンズの供給システム」特許無効を東海光学が主張、知財高裁が東海光学の請求を棄却(2-21)
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT
別サイト http://www.doblog.com/weblog/myblog/82816 新銀行東京と知財担保(2008-2-21)

1. 「特許の質」「特許の安定性」という用語
1-1 日米ともに、「特許の質を高める」という政策を強調しているが、「特許の質」とは何かを明確に示さずに、「特許付与が無効とされないこと」であったり、「進歩性高度な発明のみに特許付与すること」であったりして、明確でない。
1-2 昨日の知財高裁判決(平成19(行ケ)10175審決取消請求事件・知財高裁判決(2008-2-21)の経緯は、
1-2-1 HOYAの標記特許権(特許3502383)に対して、東海光学は特許無効審判請求し、特許庁は無効審決した(2006-2-19)。
1-2-2 HOYAは、1-2-1の審決取消を知財高裁に求め、知財高裁は、1-2-1の無効審決を取消した(2006-6-2)。
1-2-3 HOYAは、特許請求範囲縮減の訂正請求をなし、特許庁はこれを認めた。
1-2-4 特許庁は、1-2-3に基づき、東海光学に対して「本件審判請求不成立」の審決をなし(2007-4-12)、東海光学は、この審決の取消を知財高裁に請求した。
1-2-5 知財高裁は、東海光学の請求を棄却した(200-2-21判決)。

2.今次知財高裁の特許無効審決支持判決(2008-2-21)(SANARI PATENT要約)
2-1  HOYAの1-2-3の特許権請求項は、「次の特徴を有するヤゲン加工済眼鏡レンズの加工システム」である。(SANARI PATENT 注:「ヤゲン」という言葉は、今次知財高裁事件では「枠入れ加工」の意味で争点とされている。他の分野でも使われるが、眼鏡業界では、広義には、眼鏡のファッション化に伴うレンズやフレ-ム周辺部の加工で、狭義には、眼鏡を顔に安定保持するため鼻梁に接触させる部分である)。
2-1-1 次のコンピュ-タを有する
2-1-1-1 ヤゲン加工済眼鏡レンズの発注側に設置された少なくともヤゲン情報を送信する機能を備えたコンピュ-タ
2-1-1-2 この発注側コンピュ-タへ情報交換可能に接続された製造側コンピュ-タ
2-2 製造側の手元に眼鏡フレ-ムがない状態でヤゲン加工が行われるヤゲン加工済眼鏡レンズの供給システムである。
2-3 発注側コンピュ-タは、所定の入力操作により、ヤゲン加工済眼鏡レンズの発注に必要な処理を行う機能を有する。
2-4 この入力操作(2-3)は、「所望の眼鏡フレ-ムを、三次元フレ-ム形状測定器で測定し、その情報を入力するステップを有する。

3.今次知財高裁の、争点に対する判断(SANARI PATENT要約)
3-1 東海光学は、「特許庁の審決には、従来技術(刊行物)の記載内容と、HOYAの発明の内容の相違点に関する認定の誤りがある」と主張し、この主張は、「製造側においてヤゲン加工まで行われること」を前提にしているが、この前提を欠く。
3-2 東海光学は、HOYAの発明は本件業界の当業者が、従来技術から容易に想到できると主張するが、従来技術の示唆のみで想到容易とはいえない。

4.SANARI PATENT所見
4-1 今次知財高裁判決(2008-2-221)は、「HOYAの本件発明の各構成を容易に想到し得たものではない」とした本件審決の判断の誤りをいう東海光学主張の審決取消事由は理由がない」としている。
4-2 上記1-2-1の特許無効審決以降の段取りを、特許権の安定性の見地から考究することが必要である。
(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)
HOYA、Eyeglass Patent、眼鏡レンズ、東海光学、知財高裁、ヤゲン

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