2008年1月28日月曜日

TV Tokyo WBS Introduces ADC Technology

TV Tokyo WBS Introduces ADC Technology等、 知財番組・TV東京WBS「誘導多能性幹細胞・京大特許出願」「NISSANライセンス」「三菱UFJ知財信託」
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT
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  まえがき: 朝日新聞毎週連載の「休眠特許」(2008-1-27)には、サントリ-の「透明 まんまる 製氷器」(特許公開番号2003-56956)(丸い氷を家庭で製造可能)を発明したが、コストなどの関係で休眠中と解説した。個人発明で実際的な産業上利用可能性への考慮が足らず、休眠のままの事例が次々と紹介されてきたが、今回は大企業の身近な事例である。
 これらの休眠と、ビジネス過熱が混在する特許競争を、テレビ東京WBSが描いた。

1.「誘導多能性幹細胞(iPS)の日米特許戦略」や「特許権の51.6%が未利用」と課題提起
1-1 標題のテレビ東京WBS(2008-1-25)は、先ず次のように問題提起し、関係者がそれぞれ説明した。(SANARI PATENT要約)
1-1-1 誘導多能性幹細胞(iPS)等の幹細胞が、臓器移植によらない再生医療にも有効であることなど、全人類の切実な希求に応えることから、ビジネス対象としての関心もグロ-バルに高まっている。実用に至る前後に、特許戦略が既に活発であることは、「見えない戦い」として必然的で、京大も誘導多能性幹細胞(iPS)に関するものだけでも特許出願4件を行っているが、米国の先発明主義特許法と対抗して、正当な権利を的確に確保することが、研究開発と共に必要である。(SANARI PATENT 注:医療特許、先発明、進歩性と非自明性、有用性は、日米特許法の相違点である)。
1-1-2 特許権の活用を自社にとどめず活用することは、ライセンス収入、相手方における新たなビジネス機会の獲得、国益に合致することの諸点から、これを積極的に行うことが、ニッサンの方針である。実績としては例えば、「傷を消す塗装技術」(高級家具等)、「高性能フィルタ」。
1-1-3 知的財産信託の受託事業者としては、標記放映では、三菱UFJ信託が登場した(同行の具体的事例としては、別途、東京・大田の流体継手製造・三輝からの受託などが注目されてきた)。みずほ銀行も知的財産関連金融で引用された。4日前(2008-1-24)に関東経済産業局が主催した知財戦略シンポで活躍したIPトレ-ディングジャパン等とも提携して知財活用を拡販する。

2.エイディシ-テクノロジ-株式会社(以下「ADC」)(SANARI PATENT要約・訳)
2-1 テレビ東京WBSで紹介されたADCの、英文HPを見ると
、冒頭で次のように述べている。
 「ADCは、EPG(SANARI PATENT 注:電子番組ガイド:Electronic Program Guide)の日本特許権者として、既に国内AV装置主要メ―カの大多数とライセンス供与契約を締結している。日本市場に参入を計画している外国各種AV装置メ―カとも契約を締結しつつある。」
2-2 和文のHPは、冒頭で次のように述べている。
 「EPG特許に関しADCは、特許庁相手の6件の知財訴訟に勝訴した。」
2-3 上記6件のうち平成14年(行ケ)408補正却下決定取消請求事件についての東京高裁判決を引例すると、判決(2003-9-8)は、原告ADCの請求を認容した。以下SANARI PATENT要約。
2-3-1 ADCの発明の要旨は、「テレビの放映内容を録画するビデオ録画装置に装着されて、その録画を制御する録画予約制御装置において、少なくともテレビ放送の内容と放映時間とを含む情報を予め記憶する記憶手段と、この記憶された情報をテレビ受像機に出力し、このテレビ受像機に表形式で表示させる表示制御手段と、この表示された情報から所望の放送内容を選択する選択手段と、この選択された情報に従って、その放映時間をビデオ録画装置の録画予約手段に設定する録画予約手段とを備えたことを特徴とする録画予約制御装置」に関する。
2-3-2 東京高裁は、「ADCによる補正事項が、当初明細書等の要旨を変更するものとした特許庁決定の判断は誤りであるから、この決定は取消すべきものといわなければならない。
2-3-3 よって原告ADC(訴訟代理人・足立 勉弁理士ほか)の本訴請求は理由があるからこれを認容する。

3.SANARI PATENT所見
3-1 ADCのHPによれば、ADCは平成11年4月に資本金1000万円で設立され、翌月、オランダのReem Properties B.V.社と12件の特許権について専用実施権契約を締結、  同12月、加賀電子および不二華陽と共同出資でiモ-ドEPCサ-ビスを事業とする新会社iTate.Comを設立して本格的にEPG事業に参入した。平成12年12月、EPG提供事業が、新事業創出促進法に基づく新規事業として郵政大臣から認定を受けた。
   平成13年3月、ケ―タイ、PCインタ-ネットのEPGサイトからロモ-トで予約するシステムをアイ・オ-デ―タ機器と共同開発、現在資本金2億2710万円。
3-2  わが国知的財産活用によるイノベ-ションと国際競争力優位のため、多様な業態が輩出し発展している。これらを広汎に考察し、特色ある諸機能が相乗発揮されるよう、認識を新たにしてゆきたい。
(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)
誘導多能性幹細胞、iPS、ADC、加賀電子、EPG、TV東京

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