2008年1月26日土曜日

What is the Quality of Patent ?

What is the Quality of Patent ?「特許の質」について特許庁イノベ-ション-パテント研究会
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT
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1. 特許の質
1-1 討議概要(SANARI PATENT要約)
1-1-1 特許出願の増加やパテント・トロ-ル等の多様な問題が発生しているが、特許の質を確保することが重要である。現行のTRIPs協定には、この質を確保するための仕組みが欠けている。プロパテント政策を推進するためには、こうした観点が必要である。質の低い特許の増加は、本当に良い発明をした者の特許を弱め、イノベ-ションの低下を引き起こす。特許の質の確保手段については、様々な観点からの検討が必要である。
1-1-2 特許の質については、日本がトップクラスだと思うが、訴訟において権利が無効となり特許権者が負けることが多くなっている。そのため訴訟件数が減っているのではないか。
1-1-3 特許庁は大量の出願を審査するので調査文献に限界があるが、いざ審判や訴訟となると、弁護士・弁理士が先行文献を丹念に探してくることとなる。こうした状況の違いでも結果になるべく差が出ないように、官民が共同で先行技術を検索するための検索エンジンを開発することが必要である。
1-2 SANARI PATENT考察
1-2-1 「質の高低」を、特許法の用語で換言すると、「進歩性・非自明性の高低」となる。更に知財訴訟判決の用語で換言すると、「容易想到性の難易度の高低」となる。すなわち、先行技術からの想到困難性が低度、中度、高度のいずれの段階に属するかの程度差」を意味し、「進歩性・非自明性の低度・中度・高度」と同義になる。なお、「進歩性」はわが国特許法の用語、「非自明性」は米国特許法の用語である。
1-2-2 イノベ-ションは「高度の技術革新による社会経済の高度の革新」({高度}を「飛躍的」と表現する向きも多いが、その定義がないから、SANARI PATENTは、「高度」が適切と考える)から、イノベ-ション高速化のためには、高度の進歩性・非自明性を有する、すなわち、想到困難性高度な発明の続出が望ましく、そのためには、高度の進歩性・非自明性を有する発明にのみ特許を付与して独占権の利益を最大化していることによって、その続出を奨励すべきであるという主張が一つ成立する。しかし、およそ技術的進歩は、進歩の歴史的累積によって成立するのであるから、低度・中度の進歩性に対しても特許を付与して累積を加速することが捷径であるという主張も一方において成立する。米国のIT大手企業は前者を主張し、米国の個人発明家集団は後者を主張している。
1-2-3 米国で、「低度進歩性(非自明性)発明に特許を付与することがパテントトロ-ルの不当な利得行動を招来した」という大企業グル-プの主張があるが、大企業がみずから低度進歩性(非自明性)発明についても特許出願をすればパテントトロ-ルの利益を助長することはないのであるから、出願手数料の低減をUSPTOに要求する方が先ではないかと、SANARI PATENTは考える。実用新案権制度を低度進歩性発明に充当することも別案であるが、わが国の特許審査基準は、特許法の「高度」の語に顕著な意味を認めていない。
(以下関連記事http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 2008-1-27 特許権の質と無効審判
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Quality of Patent、USPTO、パテントトロ-ル、進歩性、特許法

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