2008年1月22日火曜日

Patentability of Human Stem Cell

Patentability of Human Stem Cell ヒト幹細胞関係発明の特許性:特許審査基準「生物関連発明」との関係
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT
関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-14 旭化成・東レの幹細胞関係特許公開事例

  東大医科研が骨髄細胞(SANARI PATENT 注:Stem Cell:ヒト幹細胞の一種)注入による顎骨再生実用に近づくと、歯科インプラントシンポジュ-ム(20087-1-20)で報告するなど、幹細胞を用いる医療の話題が活発である。

1. 幹細胞に対する常識の分岐(ヒト幹細胞について)
1-1 京都大学の誘導多能性幹細胞(iPS)創出発表(2007-11)で先ず飛び出したのが「万能細胞」で、京都大学の皮膚由来幹細胞も万能細胞と呼び慣らされていたが、程なく、京都大学では誘導多能性幹細胞(iPS)、すなわち、万能ではなく多能の語を用いた名称で呼ぶことが示された。
1-2 そこで暫くiPSの語が頻出したが、最近は骨髄幹細胞移植が臓器移植に代替できる再生医療として注目され、特に自己由来骨髄幹細胞移植が拒絶反応回避、他人臓器依存回避の可能な再生医療方法として喧伝されている。
1-3 これに伴い、幹細胞を「万能幹細胞と体性幹細胞」に分類し、胚性幹細胞(ES細胞)を万能細胞、誘導多能性幹細胞(iPS)を準万能細胞、骨髄幹細胞や皮膚幹細胞を体性幹細胞と呼ぶ分類も示されている。
1-4 SANARI PATENTは、細胞を「幹細胞と非幹細胞」に分かち、「幹細胞を胚性幹細胞と体性幹細胞」に分かって、万能細胞の語は用いず、京都大学の誘導多能性幹細胞(iPS)は体性幹細胞に分類している。

2. 幹細胞関係発明の特許性
2-1 幹細胞を使用する再生医療の実用ないし産業化への関心(特に造血幹細胞、間葉系幹細胞などの骨髄幹細胞による血管・骨の再生医療)が高まり、従って、関連する特許制度への関心も高まっている。先ず幹細胞に関する「物の特許」についてSANARI PATENTは、「当面の課題は、新規性および進歩性の判断」であると考える。
2-2 わが国の特許審査基準は、生物関連発明について章を設けているが、「生物」は「微生物と動植物」であり、「増殖可能な動植物の細胞」は「生物」に含まれる。
2-3 生物関連発明について、「遺伝子工学に関する発明」、「微生物に関する発明」、「植物に関する発明」、「動物に関する発明」に分節しているが、「動物に関する発明」の「動物」は、「人を除く」。
2-4 従って、ヒト幹細胞に関する発明は、「遺伝子工学に関する発明」に該当する範囲においては、この節によって特許性が判断されるが、それ以外の発明は一般審査基準に従うこととなる。再生医療との関係において、特許審査基準の新たな検討を要することは、
 関連記事http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ (このサイト)2008-1-12 誘導多能性幹細胞(iPS)に述べた。

3. 現行「生物関連発明」審査基準における進歩性
3-1 ベクタ-および導入される遺伝子がそれぞれ公知であれば、それらの組合せによって作出される組換えベクタ-に係る発明は進歩性を有しないが、それらの特定の組合せによって作出される組換えベクタ-が、当業者が予測できない有利な効果を奏する場合には、進歩性を有する。
3-2 親細胞がいずれも公知である場合、親細胞を融合して得られた融合細胞に係る発明は進歩性を有しないが、その融合細胞が当業者に予測できない有利な効果を奏する場合には、その融合細胞に係る発明は進歩性を有する。
(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

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