2008年1月30日水曜日

Relationship Between Anti Monopoly and IP

JPO Observes Relationship Between Anti Monopoly and IP 「独禁法と知財政策」について日米欧比較
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 2008-1-30 The Meaning of Open Innovation

  まえがき(1月28日東京地裁判決:平19ワ16775著作権侵害差止):   
  黒澤 明 (A.Kurosawa) 監督(1998-9逝去)により松竹株式会社が制作した映画「醜聞(スキャンダル)」は、1950年4月に公開されたが、株式会社コスモコンテンツがそのDVDを製造・販売し、松竹が著作権侵害の差止を訴求し、東京地裁は1月28日判決で松竹の請求を認容した。著作権法は数次の改正を経ているが、今次判決は、松竹が黒澤から映画「醜聞(スキャンダル)」の著作権を承継したと認定した上で、その存続期間を2036年12月31日までと判断したものである。この期間の政策的適否については議論が多い。広義の「創造と独占」問題に属する。

さて今後の知財行政について、独禁法との関係を「特許庁イノベ-知財資料」(2008-1-23)は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

1.知財法と独禁法の基本原則
1-1 原則として、特許法等による「権利の行使と認められる行為については、独禁法は適用されない。
1-2 しかし、外形上、権利の行使と認められる行為であっても、知財制度の趣旨を逸脱し、または同制度の目的に反すると認められる場合には、独禁法が適用される。

2.日米欧の対応
2-1 日本:
公取委が、知財権取引についての独禁法適用関係を明確化することを目的として、「知財利用に関する独禁法上の指針」(2007-9)、「標準化に伴うパテントプールの形成等に関する独禁法上の考え方」(2005-6)という二つのガイドラインを公表している。
オ-プンイノベ-ションの動きを背景に、技術とその技術に関連する知的財産権の流動性が高まるなか、わが国においても、知的財産権取引における独禁法の適用問題は今後益々重要になる。
2-2 米国
米国ではDOJ(SANARI PATENT 注:Department of JusticeのAntitrust Divisionと解する)とFTC(Federal Trade Commission)が共同で「Antitrust
Enforcement and IP Rights: Promoting Innovation and Competition」を公表して、知的財産権のライセンス取引等に対する反トラスト法の適用に関しての見解を示すなど、競争法と知財の問題について検討がなされている。
2-3 欧州
欧州委員会がOS(SANARI PATENT 注:Operation System:コンピュ-タシステム全体をコントロ-ルするソフトウェア:基本ソフトウェア)市場の独占的な地位の濫用を理由として、欧州共同体競争法に基づいて下したライセンス料の大幅引下げを含む是正命令(2007-7)を、Microsoftが全面的に受入れるなど、競争法の適用が注目を集めている。
(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)
Kurosawa、DOJ、Microsoft、FTC、独禁法、公取委

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